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第46話 韓国学園とチョーコー、血の同盟 その3

「なんだおめぇ!?」


3人組は、自分たちの前に来たハンに気づいて、ドスを効かせた声で反応した。

ハンは、その声を無視するように、涼しい顔でこう命令した。


「邪魔だ、どけよ」


出入り口ドア付近でそれをハラハラしながら見ていた岸本は、このまま喧嘩になるのでは?と焦った。

3人組相手に一歩も引く気を見せないハンに、3人組は明らかに動揺していた。


「おい、行くぞ・・・・・・」


大股で座席に座っていた3人組は、スゴスゴとその場を離れ、隣の車両に移っていった。


それを見届けたハンは、岸本に顔を向けて満面の笑みでこう言った。


「きしちゃん!席が空いたから座ろうぜ」

「お、おお」


3人組の不良相手を退かせたときは真逆の笑顔だった。


空いた座席に座り、10分ほどが経った。

既に3人組は、電車から逃げるように降りていた。

一方、ハンと岸本の会話は弾んでいた。

久しぶりの再開なのも大きかったが、ハンが意外とおしゃべりだったのもあり、会話が途切れる事はなかった。

もう少しで三鷹駅につきそうだ。

そんな時だった。


「これはこれはカンガクのチョンさんじゃないですか!」


3人組が消えた車両の反対側から、蛇腹を着た3人組が現れた(今日は3人組に縁があるらしい)。


(げ、国士館じゃん)


岸本は、助けを求めるように、急いで隣のハンの顔を見た。

ハンは、明らかにまずそうな顔をした。


(どうする青木・・・・・・)


岸本は、小声で青木に尋ねた。


「・・・・・・」


ハンは、それに答えず、ただ黙って腕を組んでいた。


ドカァッ!


座席を蹴りながら、近づいてくる国士館3人。

その挑発を無視する2人。


(逃げるぞ、きしちゃん)


岸本の顔に近づいたハンは、小声で国士館からの逃走を提案。


(あ、ああ・・・・・・)


喧嘩に自信のある韓学のハンも、国士館相手は分が悪かった。

喧嘩する時もあるが、それは相手が1人の時がほとんどで、複数いた場合はいつも走って逃げているという状況であった。

今回の相手は3人。

逃げるが勝ちであった。


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