韓国学園 校内
「これどっちが勝ったんだ?」
「士官側は大学生が主力だったそうだ」
「チョンコーが押してたらしいぞ。見てた知り合いが言ってた」
クラスの中で数人が、「チョーコーvs国士館」の話題を話していた。
ちなみに、在日同士でお互いを呼びあうとき、チョンコーなどと言ったりする。
黒人がお互いを「ニガー」と呼んで挨拶するみたいな感覚である。
話はそれたが、それに聞き耳を立てる1人のリーゼント頭がいた。
ハン・シュウイチ。
香山三兄弟には及ばないが、腕っぷしが強い男として、都内でもそこそこ知られている男である。
一匹狼タイプで、よく山手線を1人で練り歩いて、日本人の不良学生がいたら喧嘩を売って歩いていた。
夕方 中央線 新宿駅ホーム
「きしちゃん!」
「え?あ・・・・・・青木?」
ハン・シュウイチこと青木秀一は、三鷹の小学校時代の同級生・岸本と偶然新宿駅の中央線ホームでバッタリ会い、声をかけた。
その時、ちょうど高尾行きの中央線の電車が新宿に到着した。
「韓国学園行ってるんだっけ?」
「ああ、親がどうしてもっていうからな」
電車のドアが開く。
電車の中に入っていく2人。
「ぎゃはははは」
その車両に、ハンと同じくリーゼントヘアーの3人組の不良が座席に座りながら、大声で笑い声をあげていた。
(げ、クズどもかよ・・・・・・)
岸本は、まずい車両に乗ってしまったと後悔。
別の車両に移った方がいいなと、青木に提案しようとした時。
ハン(青木)は、その3人の前にズカズカ歩いて行った。