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第24話 VS士官大 第二ラウンド 高田馬場決戦 その3

高田馬場駅へ向かう山手線内回りの車内では、チョーコー勢達が漫画雑誌を読みながら朝鮮語で会話していた。

それをサカンの間諜2人は、隣の車両から横目でチラチラ監視していた。

だが、朝鮮語で会話しているので何を言っているのかサッパリ分からない。

国士館高2年・横内と戸野田は、お互いの顔を見て苦虫を噛んだ。


チョーコー勢たちは、サカンのスパイが自分たちの動向を隣の車両で監視している事を既に認識。

なので朝鮮語で会話し、自分たちの作戦を察知されないようにしていた。


また、高田馬場へのカチコミする25人の中に、リーケンタとパクトクマサはいなかった。

リーケンタは、新宿署の留置場に勾留。

重症のパクトクマサは、東京医科大学病院へ入院していた。

なので、新たにチョーコー3年のユン・ケンホウとファン・シュウスケがこのカチコミに参加していた。


この2人は、立川チョーチュー出身で、チョーチュー時代、近所の中学にたった2人で乗り込み、校門前で日本人番長グループ15人を相手に大立ち回りした、これまた立川で知らぬものはいない猛者であった。

その話はまた別の回で・・・・・・。


山手線内回りの電車が、目白で停車。

高田馬場に向けて動き出したころ、サカン高・大連合25名は、高田馬場駅山手線2番ホームに到着。

新宿決戦同様、金属バットなどの武器を各々持参し待機し始めた。



山手線内回りの電車内。

高田馬場駅が見え始めたころ、朝鮮語でダベってリラックスしていたチョーコー勢25名は、2番線ホームで武器を持ちながら待機しているサカン連合を視認。

それと同時に、一斉に座席から立ち上がりホーム方面に体を向きなおした。

完全に臨戦態勢に入っている。

それに驚いたのは、チョーコー勢を監視していた国士館高2年・横内と戸野田だった。


(チョンコーの奴ら、さっきまでの姿は俺たちを騙す演技だったのか・・・・・・)


電車が、高田馬場駅にゆっくり進入していく。

進入していく電車の中で、チョーコー勢25名は、ホームで一列に待機しているサカン連合25名にメンチを切り怒号を飛ばした。


「サカン!昨日は怯えて逃げてたけどよぉ、今日は尻尾巻いて逃げねえのか!?」

「んだと!今日はお前ら全員ここで殺してやるから覚悟しろや!」


チョーコーの挑発に、既にブチ切れていたサカン連合はさらに激高、怒髪天を衝いた。


そして、サカン連合とチョーコーのにらみ合いと怒号・挑発は、電車が到着するその時まで続いた。

他の車両やホーム上にいた乗客たちは、これから起こるであろう抗争に恐怖と好奇心を持って、遠目から眺めていた。


車掌が声を震わせながらアナウンスする。


「次は高田馬場、高田馬場。お出口は右側です───」


山手線内回りの車内にいた車掌・樋口は、絶望した。

ホームにはヤクザ顔負けのツラしたパンチパーマの不良学生集団。

車内にはこれまたアイパーなどでキメた不良学生が車両を占拠している。


(明日は休みだって~のに、もめ事おこさんでくれよ~・・・・・・)


車掌や運転士たちは、祈りながら、電車を高田馬場駅に到着させた。


「・・・・・・」


車両を挟んで、両団体がにらみ合い、一瞬の静寂が訪れた。


(ホッ)


車掌・樋口は少し安堵した。

怖そうな見た目をしてても所詮は学生。

ヤクザみたいに暴れる事はないんだな、そう思った。

いや、思い込んだ。

この時までは。



「第二ラウンドじゃああああああ!!!!」



バリィーーン!!!!


一瞬の静寂から一転、国士館連合が一斉に持っていた武器で一両目の電車の窓を叩きはじめた。

周囲に窓が激しく割れる音が響く。


「うわぁ!」

「キャー!」


その音に、ホームや電車内の乗客は悲鳴をあげる。

慌てて、車掌や運転士も「ひぃー!」と言いながら頭を抱えながら身を屈めた。



ここに、vs士官大第二ラウンド高田馬場決戦が開幕した・・・・・・。


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