夕方 高田馬場駅へ向かう山手線内回りの車内
25名のチョーコーの喧嘩自慢達が車両の1両目を占拠していた。
他の一般乗客は怯えて2両目に移り、2両目は帰宅の乗客を含めて満杯で足の踏み場もないようなギューギュー詰めの状態だった。
チョーコー側の実質的リーダー・キムブントクは、前日のチョーコー側の勝利を得て、サカン側への挑発も兼ねあえて前日の様に策を巡らして移動するのではなく、堂々と敵地高田馬場に乗り込む方針へ変更した。
国士館高校と大学は、朝鮮高校より格下。
という印象を相手と周囲に与えるために、サカンとは対照的に、高校生のみでチョーコー精鋭部隊を構成。
数も事前にチョーコーの斥候部隊の情報網で把握していたサカン連合の25名と同数でカキコミすることを決定。
キムブントクのその考えに賛同した24名は、東京朝鮮中高級学校内で気合を入れるのを兼ねて大声をあげて呼応した。
高田馬場駅構内
花田幹夫たち国士連合25名は、高田馬場駅構内で一団となって固まりチョーコー勢の報復への臨戦態勢を整えていた。
そこに、慌てて間諜たち2名が花田の元にやってきてチョーコー勢の動向を報告した。
聞くまり花田は、その報告に驚いた。
チョーコー勢が、山手線内回りの車内で漫画本を読みながら談笑にふけっていたというのだ。
花田は、これから自分たちとの決戦の前にも関わらず、チョンコーどもがそんな舐めた態度をしている事に驚き、同時に自分たちがそこまで舐められている事が相当悔しかった花田は、顔を真っ赤にして叫び声をあげながら地面を思いっきりふんづけた。
「このくそどもがー!」
日本一のバンカラ高・大を自認する国士館が、チョンどもにここまでバカにされることは、愛国精神と愛大精神(愛知大学のことではない)を人一倍持つ花田にとって、決してあってはならない事であった。
完全にブチ切れた花田は、残りの国士館連合24名に怒号を飛ばした。
「今から山手線ホームで迎え撃つ!ワシにつづけぇー!」
「押忍!」
走り出す花田。
国士高・大連合24名の男達も、それに呼応して花田の跡を追った。