これは昭和の不良全盛期時代。
東京中の不良を相手に戦った朝鮮高校の記録である。
昭和のある時代。
十条駅 京浜東北線
「ここのホームで孫が待っててくれるそうだけど」
「久しぶりに東京に住んでる孫に会えるな」
「ええ」
仲ムズましい70代の老夫婦が京浜東北線のホームへ上がろうと階段を上っていた。
「しょ!」
「おじいさん何か言いました?」
「いいや。でもホームから何か聞こえてきたな」
「アショ!アショ!アショ!アショ!」
「なんだこの叫び声は・・・」
「あしょ?誰かが叫んでますね」
謎の掛け声は、階段の先から聞こえてくるようだ。
恐る恐る老夫婦が階段を登りきると・・・・・・。
「アショ!アショ!アショ!アショ!」
数百人の学ランを着た男たちが一斉に同じ言葉を叫びながらまっすぐに立って整列していた。
「なんだなんだ~・・・この団体さんは・・・」
「何かの応援団ですかね・・・」
呆然とその団体を見つける老夫婦。
「お前ら~!俺たちの敵は国士でも帝京でもねぇ!そんな奴ら屁でもねぇ!」
「アショ!」
その団体の前に一人のガタイのいい男。
身長190cmはあろうかという同じく学ランを着た坊主頭の男が立って怒号を飛ばしていた。
「俺たち朝鮮人の目的はただ一つ!祖国統一それのみだ!」
「アショ!」
「おらぁ!今から焼きいれんぞ!朝鮮民族なら耐えてみろ」
リーダーと思われる男の前蹴りが目の前の学生の腹部に飛ぶ。
「ちょーこー生なら、喧嘩にはぜってー負けるんじゃねえぞ」
「負けたら二度とちょーこーの敷居をまたげねぇと思え」
「アショ!」
次から次へと蹴りが整列していく学生たちに飛ぶ。
周囲のサラリーマンや他の学校の学生たちは下を向いてこそこそ通り過ぎていく。
その時、十条駅に電車が停車する。
一両目と二両目からガクラン姿に同じようなアイパー、パンチの集団が大挙として降りてきた。
それを見るなりヤキをいれられていた学生たちが慌てて90度の角度でお辞儀を始めて。
また同じ呪文を叫び始めた。
「アショ!アショ!アショ!」
周囲の一般人は蜘蛛の子を散らすように逃げるか、下を向いてやりすごそうとしていた。
東京十条。
東京で一番強い奴らがいた学校。
朝鮮高校の最寄り駅である。