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あるいは崩壊の始まりに悪魔はハーレーに乗る
あるいは崩壊の始まりに悪魔はハーレーに乗る
木村
文芸・その他ノンジャンル
2025年02月14日
公開日
2.8万字
連載中
八年ぶりに目覚めた『悪魔』がハーレーに乗って地球に飛来した。彼は友人であり預言者である九十八歳の『槙島神父』を訪ねたのだが槙島はまさに死んだところだった。悪魔は天使に盗られるぐらいならばと槙島の魂を『悪魔の小瓶』に仕舞ってしまう。しかし、――槙島の死は寿命ではなく『殺人』によるものだった。
 かくして悪魔は槙島の魂の入った『悪魔の小瓶』と槙島が育てていた『悪魔の娘』と共に殺人者を探すことになった。それは悪魔の最初で最後の謎解きであり、あるいは崩壊の始まりでもあった。

始まりの挨拶(あるいは別れの言葉)



 要約するならこの話はわたしから見た世界の姿であり、わたしが産まれてから季節が一巡りするまでの物語だ。

 そう要約するならば『正しい』始まりはわたしが産まれた瞬間だろう。しかし『あの瞬間』から始めると読み手であるあなた方にこの話がうまく伝わらないと思う。なにせわたしが産まれた瞬間は様々な事象が重なり合っていて、誰かにとっての『正解』が誰かにとっての『不自由』であり、誰かにとっての『願い』が誰かにとっての『呪い』となっていて、一言で表すならば『てんやわんや』だった。だからこそ『わたし』が産まれたわけなのだが……。とにかくあの瞬間からこの物語を始めるのは得策とはいえない。

 だからこの話はわたしから見た世界の姿ではあるが、まず『わたしが産まれる前』、つまり『わたしがまだわたしになる前』から始めよう。始まりの場所は地球より『少し』離れた星、今のところ地球上の人間には観察されたことがない銀河系に位置する名もない星だ(先に『少し』と表現したのは『光年という単位で示すには少し気が滅入るぐらい遠く』だからだ)。――とにかく地球ではない星の上からこの物語は始まる。




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