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雉四郎編05 全園集会ッッッッ!!!

 全園性徒70億人が集う全園集会ッッッッ!!!


 超東京ドーム何個分の広さがあればそれだけの人数を収容できるのか、ざっと計算しても低学歴にして無学文盲の作者にはよくわからなかったので、そこはこんな小説を読んでおられる暇な読者様が調べればいいんじゃないかと思うので、従って泣く泣く割愛させていただく!


 んでもって、キジシロッティはやはり悪徳霊場の悪役令嬢なだけあって、そりゃあ、いの一番にして一等によいマウンティング“超フジヤマ”の如き上席が拵えられているのであーーった!!


 煙と何とかは高いところがお好きを地でいく、そんなこんな感じであーーる!!


『えー、本日もご来場、まっことにまっことにまっことに、ありがとうぅございまぁすぅ〜』


 まったくもって人を小馬鹿にしたようなアナウンスが流れる。


『そんでは、超性徒会の! イケメソ中のイケメソよ、出てこいやー!! 推しメンたちの入場だァー!!!』


 黄色い声援の中、とこぞの地下闘技場のような舞台、玄武の方角にスポットライトが当たる!


『エントリーナンバー4、オランウータンじゃないけれどもオランウータンの中のオランウータン! 天才的な頭脳でズバリ解決するわよ! イケメソオランウータンこと、ドクター・ベンザッティ!!』


 擬人化したはずなのに、オランウータンと呼ばれるベンザッティがムーンウォークで登場し、シルクハットを投げて歯を光らせる!


 次に朱雀の方角にスポットライトが当てられる!


『エントリーナンバー3、ゴリラじゃないけれどもゴリラの中のゴリラ! 怪力無双で脳筋解決するんだぜ☆ イケメソゴリラこと、ゴリッポッティ!!』


 やっぱり擬人化したはずなのに、ゴリラと呼ばれるゴリッポッティがビ○ス・マク○ホンの入場テーマ曲と共に現れ、「貴様はクビだ!」のパフォーマンスをやるのだが、ネタがマニアックすぎて誰にも理解してもらえなかった!


 んでもって、やっぱり次は白虎ですわ!


『エントリーナンバー2、超日本猿じゃ…いや、超日本猿なんだけれども! 前章(畜生転移2の猿三郎編)で人気が、超日本経済のバブル崩壊の如く、下降転落した超日本猿ことサルサブロウッティ!!』


 擬人化しても猿となんら変わらない、サルサブロウッティが、ここぞとばかりの真っ白な紋付袴で姿を現すが、次の瞬間、空き缶やら生ゴミを投げ入れられての大ブーイングの嵐なのであーーる!!


「ギャアアア! ワシだけおかしいじゃろが!! なにしとくれんじゃー!! このクソどもがァァァ!!!」


 怒り狂い吠え猛るサルサブロッティ。このお上品な小説にあるまじき悪口雑言、罵詈雑言の数々を糞便の如く垂れ流す。もちろん割愛だ。


 もちろん、キジシロッティは彼らの存在を無視した。


 華麗にスルーだ!


 お嬢様であるがゆえに!


 んでもって、最後はやっぱり青龍ですわ!


『そして、皆様、待望のエントリーナンバーワン!! 柴犬だからイケメソなのか、イケメソだから柴犬なのかァ!? その謎は町内会長の奥様のヘソクリくらい、秘密のベールに包まれた謎だ! 超性徒会長! イヌジロッティ!!!』


 あまりのイケメソぶりに、照明も当てていないのに七色の光をまといつつ、かつ重厚なスモークまで焚かれている中、先までの生半可なクソ畜生共とは違う、きちんとしっかりと擬人化したイヌジロッティが姿を現す!!


 本小説は恋愛系なので、イケメソぶりも『畜生転移1or無印(犬次郎編)』と比べても180%増(当社比)だ!


 彼が髪をかき上げる仕草をしただけで、「あばばばば!」という奇声を上げて、幾人もがウェーブを描くようにして気絶していく!


「……意味がわからん」


 イヌジロッティがツンデレ発言をし、意味もなくシャツの下をたくし上げて顎下の汗を拭く、程よく鍛えられたシックスパックが白日の元に晒され、SAN値がゼロになった腐女子たちが絶叫する!! 


 そして、キジシロッティも思わず立ち上がっていた。


 両鼻からしどどに鼻血が噴出している!


 これは性的興奮だ!


 ウブな恋愛漫画のトキメキなぞ通り越して、「はよ! 交尾してぇだー!」という同じ畜生の男子諸君(主に中高生)ならばよくわかるアレだ!!


 そもそも恋愛の果てに交尾があるわけだから、食パンくわえてぶつかった瞬間に交尾すればいいんじゃないかしら……と、作者は思わないでもないのだが、恋愛物大好きな諸兄や、動物愛護団体からの反発を招きそうなんで、ここは敢えて伏せさせていただく!


 とにもかくにも、キジシロッティは見た目は人間でも、中身は所詮は畜生だ!


 畜生の畜生たる所以は、本能に根ざしているかどうかだと言える!!


 つまり作者の「書籍化してぇなぁ〜。どこぞの出版社が大金積んで『畜生転移1+2+3♡』を是非書籍化させて下さいとか、向こうから声を掛けてくんねぇかな〜。そしたらやぶさかじゃねぇのになぁ」とか思っているのも本能に根ざした畜生的な考えなのかも知れないが、本筋から外れるのでここでは割愛させていただくッ!


 長々と書いたが、もはや説明するまでもなく、要するにキジシロッティはイヌジロッティに恋をしたのだ!!


「こ、これが一目惚れというものなのね……」


 『畜生転移1+2+3♡』を最初から読まれている読者諸兄ならばすでにご存知だろうが大嘘である!!


「んんッ! あれは!!」


 キジシロッティは驚愕する!


 もちろん他の腐女子たちも同様だ!


 なぜか!? 簡単だ! それはイヌジロッティに近づく雌がいたからであーーる!!


 それは擬人化したボーダーコリーだった!


 擬人化した美少女、長めのボブカットをした清楚系だ!


 ポッとでの新キャラだろうと思われるかもしれないが、実は『犬次郎編10 オーマイゴッド!』に出てきて、速攻で犬次郎の鉄球の餌食になったあの女だ(知らない人は知らないままでいいので問題ない)!


 なんでここに出てきたかといえば、彼女が今回のヒロインだからに他ならない!!


「イヌジロッティ様…」


「コリッティ…」


 ボーダーコリーこと、コリッティからの花束を受け取り、ふたりは見つめ合う!


 なにがどうなってこうなったのか、ともかく周囲の女子たちが食いしばりすぎた歯茎から血が迸り出て、鉄の臭いが充満するほどに不穏な空気が漂っていた!!


「キー!! なによ、あの女! アタシのイヌジロッティに!!」


 別にキジシロッティのものではないのだが、そこにツッコミを入れるというのも野暮な話だろう。


「ゆ、ゆ、許せない!! こうなったら……」


 キジシロッティは悪役令嬢の顔をする。


 そうだ。なぜに悪役令嬢になって善行をせねばならんのか!


 悪役なんだから悪役でいーじゃない!!


「ヒロインを毒殺するしかないわね!」


 これこそ真の王道!!


 ルート改変なんてクソっ喰らえだ!


 悪役令嬢に転移しても変わらない!!


 畜生はどこまでいっても、安定の畜生なのであーーった!! 

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