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雉四郎編03 性ウマシカ学園

 性ウマシカ学園!


 そこはエレガンッティなセレブリッティ的なハイセンスッティ的な、選ばれし選ばれた者ッティしか入れなッティ的な、そんな学園であーーった!! 


 まあ、とりあえず、ネット小説を読むような一般ピープルにはまったく縁もゆかりも、ゆかり御飯もない、そんな場所だということであーーる!


 雉四郎はそんな学園の、よく性徒が狂師に連れ込まれエチエチされる密室……平たく言えば、理科準備室とかいう何のためにあるのかよくわからん部屋で気絶していたのであーった!


「うう。頭が…ここはいったい?」


 雉四郎は疑問を呈するが、ナレーションで答えたのが答えであーる!


 普通はもったいぶって謎めいた展開にしたいところだが、ネオペ読者(ネオページ読者)はそんなもの求めていないが故に割愛させて頂く!


「は! しかも、アタシ…人間の姿に! しかも制服姿!」


 そして何ともご都合主義なのだが、雉四郎は人間の姿へと変わっていた!


 ご都合主義と書いたが、まあ昔話の『鶴の恩返し』だって何の脈絡もなく人間の姿に化けてエロッティなことしに来たんで、機織りなんて取ってつけたかのような言い訳は、今で言う『べ、別に機織りに来ただけだから! の、のぞかないでよね!』みたいなツンデレのはしりなんじゃないかと思うんで、何が言いたいのかというと、とどのつまりこの作品を責めるのは違うんじゃないかと思う!!


 そして性服姿だ! 詳しい説明は端折るが、可愛いを通り越して露出しすぎだろっていうのが性服のスタンダードだ!


 どうしても知りたいって方はネット検索で『エッチな制服』で検索すれば画像が山ほどでてくるだろう。なかには「着ている意味がはたしてあるのか?」っていうものもあるんで、そういったものを着ていると思っていてくれればいい! 


 ぶっちゃけ機能美とかどうでもよく、スケベッティ的なエロッティ風のムラムラッティをイタズラに掻き立てるだけの服なんじゃないかと思うのは正しい。


 そもそも同年代の青少年は、まずオッパイにしか興味がない。それをわざわざピチピチのカッターシャツで“透け乳首”とかの変態ワードに目覚めさせてしまったのは大罪である。

 ポニーテールだって、色っぽいうなじ・・・に興奮するとかで禁止した例があった様だが、少なくとも作者の青春時代はそんなものより年上のお姉さんのオッパイが気になって仕方がなかった!


 そして丈の短いスカートから出ている太腿に興奮するのはだいたい青少年を卒業した辺りからだ!


 つまりはオッサンたちが自分の性的好奇心を満たすために清楚系の格好をさせてるわけであり、けしからんことこの上ないからであって、作者的に言わせれば画一的にしたいなら上下若干ブカブカの作業服でいいんじゃないかと思わなくもないのだが、女性読者の好感を得るために着る本人が選ぶ形式でもいいのかなぁと思わなくもないと宣言させて頂こう!


「……なんかどこかで騒がしい気がしないでもないけど、ってことは、アタシは異世界に来たってこと? でもそんな感じじゃないわね」


 そうこうしているうちに、雉四郎は辺りを見回し終える。


 異世界というよりは、内部装飾から言っても現代風だ。ファンタジー的なツボや宝箱は一切ない。勇者が勝手にツボを叩き割って物色することもできないのだ。


「しかもゴッデムもいないし…あの爆発に巻き込まれて一緒に異動してきたとかじゃないのかしら? とりあえず、いまここがどこなのか調べないと」


 雉四郎は手水場にあった、くすんだ鏡に自身を映し出す。


「これがアタシ……?」


 前々回の時に異動した時の人間のままだったが、髪型が違っていた。金髪でコロネパンみたいな内巻きの髪が左右から盆提灯の如く垂れ下がっていたのであーーる。


「これって、なんか少女漫画にある悪役令嬢そのものじゃ……」


 はてさて、雉四郎の化粧も濃い。アイシャドーも付けマツゲもエゲツない上に、口紅なんてまるでピエロの様だ。ゴージャスを通り越してゴージャスッティって感じだ。


 性服も明らかに改造されており、なんかドレスっぽい。


 袖から出ていたボタンを押すと、背中に隠されていた孔雀の羽根のようなものがビュッと左右に拡がり回転しだし、後頭部には後光のような多角形のリングが出現し、服の各部に施された電飾がクリスマスツリーの如く明滅し、なおかつスカートの下に隠された装置からBGMが流れ出す。まさにラスボス小林〇子の簡易版といった様相であーーった!


 ちなみにBGMは、『ゴルドベルグ変奏曲』、『〇の風になって』、『マツ〇ンサンバ』の3曲から選べる仕様になっていた。状況によって変えられるらしいが、後者2つをどんな場面で使うのかは不明だーった。


 雉四郎は見なかったことにしてボタンをもう一度押してオフにした。



「おねえさまー! おねえさまー! どちらへ行かれたんザマスのぉー!?」


「おトイレですの!? “大”だとしても長すぎですのー! “特大”ですのー!? おぶっとい“極大”ですのー!?」



 廊下の方から声がする。どうやら誰かを捜しているようだ。


「……敵意は感じられないし。アタシもこの姿だし、きっとこの学園っぽいところの関係者であることは間違いないわ」


 雉四郎は意を決して、廊下へと進み出たのであーった!!




★★★




「おねえさ……あ!」


 廊下に出ると、ちょうど声の主と出くわした。


「あ、アンタたちは…」


 人間の姿だったが、雉四郎にはどこかしら見覚えがある人物だった。


 そうだ! こんなインパクトを見間違えるはずもない!


 ダチョウのようなヒョロっと長い首にワガママボディ。


 そしてキーウィのようなチビでズングリムックリしたワガママボディ。


 それはまさにドドリアーンとザボボンであり、擬人化したのに美少女になれなかった、アビスもびっくりの成れの果てであーーった!!


 そして2人は雉四郎を見るや全速力で駆けてくる!


 雉四郎は思わずツープラトン式ブレーンバスターを警戒して身を屈めてしまった。


「「“キジシロッティ”お姉さま!!」」


 2人はそのまま抱き着いてくる!


 このまま寝技に持ち込み、ダブル腕ひしぎ逆十字固めにでもするつもりかと思ったが、そんなこともなく、サメザメと泣いてすがりついて来たのであった!


 なんなら涙で濡れそぼった顔で頬ずりされて、お互いのファンデーションが混じり合い地獄からやって来たような様相となってしまっていた!!


「“キジシロッティ”?」


 不可思議な名前に、雉四郎は眉を寄せる。


「お姉さまの名前ですわ!」


「は? ……ええっと、アンタたちは?」


 億分の1にも、別人の可能性を考えて雉四郎は誰何する。


「イヤだわ! アテラの名前を忘れるだなんて! ヒロイン属性にあるあるの記憶喪失イベントなんザマショ?」


「そ、そんなところよ…」


 向こうがそう都合よく解釈したことをよしとして、雉四郎は頷く。


「改めて名乗るなんて、ラノベの恋愛小説で初っ端からフルネームで呼び合うくらいに不自然ですけれども、アテラはドドリアッティと、こっちはザボボンッティですわ」


「…“ッティ”?」


 フルネームで名乗るより遥かに不自然な名前に、雉四郎は苦虫を噛んだような顔をした。


 しかーし、ドドリアッティとザボボンッティは当たり前のように頷く。


「……で、アタシがキジシロッティ?」


 2人はやはり当たり前のように頷く。


 雉四郎は頭痛が痛くなった。


「……とりあえず、アタシは記憶喪失みたいだから色々教えてちょうだい」


「「かしこまりーの!!」」


 2人は嬉しそうに揃って敬礼したのであーーった!!

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