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猿三郎編02 黒歴史なKO拷問

 猿三郎は薄暗い部屋で目を覚ます。


 ぴちょん、ぴちょんと粗悪な配管の繋ぎ目から水が滴り、濡れそぼったコンクリートを打つ。


 それがいつも見る光景と同じだったことから、猿三郎は自室だと思って安堵のため息をついた。


「もんじゃうめか?(なんじゃ夢か?)」


 猿三郎は起き上がろうとして……できない!!


「は? な、なんしゃほれは!?(は? なんじゃあこれは!?)」


 上手く喋れないのに、そして全身が白い布で拘束されているのに、猿三郎は驚愕する!


 喋れないのは、拘束マスクを付けられていたからだ!


 その姿は某精神科医にして、知的紳士なのに!食人大好きな猟奇殺人が囚われていた時の姿に酷似していた!!


 バヂンッ! 盛大に火花を散らし、照明が点灯する!


 明るくなって解ったのは、そこは猿三郎の部屋ではなく、よく似た部屋…そもそもこの園の部屋なんて、どこもかしもが独房みたいな感じであったのであーる!


「お目覚めのようだねェ」


「フェメ! ろふぃくぉすふりぃ!(テメェ! ロリゴスロリ!)」


「あーん? 何を言ってるかサッパリだネェ」


 わざとらしく耳裏に手を当てて言う。


「さて、猿三郎。お仕置きの時間だよォ」


「なふぃ!?(なに!?)」


 前話でとんでもない醜態を晒したんで、てっきりこれで終わりだと思っていた猿三郎はひどく驚く!


「こうもしーんほかはふつーしょりゃうなろ!(拷問シーンとかは普通は省略だろ!)


「あーん?」


「あんふぇんひて、ワヒかふくしゅーをひかうヒーンひゃろかい!(暗転して、ワシが復讐を誓うシーンじゃろがい!)」


 メタ発言をしまくる猿三郎に対し、ロリゴスロリは下卑た笑い声を上げる。


「これは俺TUEEE系のネオペ小説(ネオページ小説)じゃねぇんだよォ! そんな都合よくいくかヨォ! 拷問シーンはきっちりかっちり出す! それが示しってものよォ!!」


 ロリゴスロリの指示で、部下がハンドルを回すと徐々に猿三郎の背もたれが後ろに倒れる。


「なふぃ!?(なにぃ!?)」


 そして猿三郎は気づく。白い布で拘束されているのは上半身だけで、下半身は丸出しであることに!


 そして背もたれが倒れるのと同時に、徐々に脚が開いていく! 両足首を鉄の輪っかで椅子に固定されているのだ!!


(!? あの糞餓鬼どもは!!)


 さらに猿三郎の視線が動いたことで、ロリゴスロリの後ろに、あの観客席にいた先生や園児たちも居るのだと気づく!!


 んでもって、猿三郎の椅子がガチンと固定された音がした!!


「これふぁ!?」


「気付いたか! 今のオメェはM字開脚になっているッッッ!!!」


 M字開脚!


 つまり、開いた脚がMの形に見える!


 AV物でよくある定番スケベッティなポーズだ!!


 ブツも菊門も丸見えで、世のオッサンどもが若い女性を見る度に「M字開脚してくんねぇかなぁー」と思うと言われる有名なエロティックなポージングだ!!


 しかし、これをやっているのはグラビアアイドルではない! 超日本猿であーーる!!


「どうだ? 自ら意志とは関係なく、強制的にM字開脚される気分は!!」


「は、はぶかひぃ!(恥ずかしい!) なんてくつしょくひゃー!(なんて屈辱じゃー!)」


 猿三郎は赤面して涙する(元から赤いが)!


 そう! M字開脚は生物史上、上位3番に入る恥ずかしいポージングとされるのであーった(筆者の個人的なランキングです)!


「しかし、これだけではない! やれ!!」


 ロリゴスロリが指示を出すと、部下たちが猿三郎の尻の下に、ちょうど良く見える位置に陣取る!


 そしてスケッチブックと2B鉛筆を取り出し、シャッシャカと写生を始める!!!


 もちろん描くのは、猿三郎の最も恥ずかしい部分だ!!


「おおおおおッ!?」


 猿三郎は身をよじるが拘束が外れるわけがない!!


「ギャッギャッギャッ! どうだ! 皆にジロジロ観察され描かれる気分は! しかも、幼気いたいけな人間の糞餓鬼(+先生)に視姦されつつというものは、初めての経験だろうナァ!!」


「やめふぇー(やめれぇー!)! やめふぇー(やめれぇー!)!」


「しかもこれだけではない!」


 ロリゴスロリは懐から青色のスマフォを取り出す。


「!!?」


「ぐへへ。気付いたか。猿三郎。これは貴様のスマフォよ。ロックのパスワードは解析済みだ。“4536シコザル”だなんて安易な設定をしおってからにな!

 ここにある出逢い系サイトや婚活サイト、その他SNSの登録情報に加え、恥ずかしい詩集まで全部丸わかりだ!

 これらの情報はクラウド上に公開アップし、誰でもダウンロードし放題にしてある!!」


「ほおおおおぉッ!!」


 猿三郎は、思春期にありがちのトンデモ妄想で、深夜のノリで書いたバチクソ痛々しいポエム……タイトル『俺は漆黒の太陽。堕ちた堕天使は触れるものをすべて傷つけてしまうんだゼ。また惚れ直した? カッコよすぎるけど勘弁な☆』などを主軸とする、数々の黒歴史が、周知の事実になってしまったのだと知り絶望する!


 そんなもの端末に残すな削除しろと言いたいが、これも想い出だと、どうせ自分しか読まないからと思って惜しんだのが仇となった!


 「堕ちた堕天使って意味かぶってんじゃんw」とか笑えるのは自分だからいいのだ!


 他人にやられたらすこぶる恥ずかしい!! 恥ずかしさの極みであーーる!!


 賢明なる読者諸君は、きっとエロい検索したら履歴は都度消していることだろう!!


 そうに違いない!!


 そうでなければ、いつか自分の性癖は誰かにバレるものなのだ!!


 さっそく猿三郎のスマフォデータをダウンロードした園児たちは大爆笑し、先生は猿三郎の集めたエロ画像に赤面する。


「しかし、貴様…出逢い系サイトなどで登録している個人情報まるっきり嘘ばかりだな! なにが『180センチ越えの細マッチョの24歳、趣味のデイトレードで年収は軽く1,000万以上あり、都内の100階建てのタワマンに住み、アラブの石油王と共同事業を始める忙しい毎日だけれど、趣味はサーフィンと海外旅行で、年の半分は世界を旅しているケーオーボーイ』だ! 写メも貴様とは似つかぬ偽物じゃないか!!」


 巨乳美女先生がシラけた顔で口元に手を当てる。


「貴様は“ケーオーボーイ”などではない! むしろKY…もしくは、このKOはな、“KOっぴらげボーイ”ではないかヨォ!!」


 ロリゴスロリにそう罵倒され、周囲から笑いが上がり、羞恥に猿三郎は血の涙を流す(ほぼ自業自得ではあるが)!


「さあ仕上げだ! 貴様の出逢い系サイトすべての写メ、それだけではなく“ウンモモッター”や“アンベレグラム”、“フェイシャルドック”に至るまで、すべてのプロフ写真を“菊門”に変えてやろう!!」


「ほ、ほれはけはぁ!(それだけはぁ!)」


 ロリゴスロリは無情にも、猿三郎のケツの穴を接写する! 


「ついでに男尊女卑と人種差別や性的差別に当たるセンシティブな主義主張をゴリゴリ連投しといてやる! これで炎上、垢banは確定のダブル役満だな!!」


「あんふぁひゃー!(あんまりじゃー!) …くふッ!(…ぐふッ!)」


 悲劇! まさに悲劇!! まさしく悲劇!!!


 精神的ダメージが多大すぎて、猿三郎はまた気絶してしまったのであーーった!!

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