「ダリアーーーー私の妻に何をした。」
ゲオルクに睨みつけられたダリアは恐怖で動く事は出来ない。
「っだ、旦那様、私は何もしていません。イーリス様が私を突き飛ばしたのです。」
「助けて」と「死にたくない。」と私に言っていたようだが、見ろお前のせいでイーリスが気を失ったではないか!」
「セバスチャンダリアを地下室へ連行しろ」ゲオルクの後ろに控えていた執事のセバスチャンはダリアを拘束し地下室へ促した。
「そんな酷いです!」
「酷いのはどちらだ、貴様 使用人の分際で公爵夫人を蔑ろにしただけじゃなく手を上げた許される事では無い。沙汰は追って伝える。」ダリアはがくりと膝が崩れ項垂れた。
「さっさと連れて行け」
「旦那様だってイーリス様を蔑ろにしていたのにどうしてーーーー。」
ゲオルクはダリアを睨み付けるだけで答えなかった。
ダリアはゲオルに言い渡されたれ地下室へ連行された。
「イーリスーーーー君が私を愛していないからいけないんだ。」
イーリスは情熱的で美しい、それは今も昔も変わらない。ーーーー初めて出会った時と変わらない。
幼いイーリスに出会って私は変わる事が出来たのだから。
当時私は10歳の子供だった。その時の私は自分に自信が無く内気で何をしても突起した物が無かった。家族からは呆れられ見放されていた。そんな中王宮で王子様の友人・花嫁候補として10歳程度の伯爵以上の子息息女が集められたが私は自分が出来損ないであるレッテルから馴染め無かった。
皆が遊ぶ中私はじっとその風景を影ながら見ているだけだった。
その時ーーーー彼女が私に声をかけたのだ。
「ねぇ貴方こんな所に隠れて何してるの?」
彼女は猫目で真っ赤なルビーのような瞳にブルーシルバーの髪を持った女の子だった。肌の色は透けるように白く唇はぷっくりとした深紅の薔薇色天使のような美しい姿をしていた。
「君は誰?天使なの?」
彼女はコロコロお笑い
「残念!私は人間よ天使じゃないわ。貴方の方が天使みたいよ。」
私は母親譲りの女顔にウェーブの金髪、父親譲りの新緑のグリーンライトの瞳女の子のように色白で細く中性的な容姿をしていた、そんな容姿を私は嫌っていた。女みたいだとーーーー
いつもはそんな容姿を前髪で隠していたが今日は王宮で王子様に認められるようにアピールとして女顔を露わにしていた。
そこに彼女ーーーーイーリスが現れたのだ。
「こんな所にいないで皆の所に行きましょう。」
イーリスは私の手を取り皆の元に連れ立った。
私はイーリスのお陰で王子であるキリアン・ハイアランドに挨拶出来る事が出来た。
皆に女顔を見られるのは嫌だったがイーリスがいればそんなのは気にならなかった。
そう私はイーリスに一目惚れしてしまったんだ。
そんなイーリスとは将来一緒になりたい為に私は努力を惜しまず政治経済、社交、経営手腕、ダンス等全てこなしたのだ。
それが今の私だったーーーー。
イーリスが悪役令嬢だと言う事が、噓の証言だと知ったのはずっと後の事だった。