「ここはどこなの?」
さっきまで病院のベッドで、胸が苦しくて息が出来なくてーーーー死にそうだったのにーーーー。
気がつけば私は豪奢な天蓋付きのベッドで眠っていた。
「私、生きてるの?」
起き上がろうとしたら頭痛と吐き気をもよおし頭が回った。
「うっ、気持ち悪い。」嗚咽が上がる
その時部屋の扉をノックする音が聞こえた。
誰よこんな時にーーーー。
私は気持ち悪くて返事が出来なかった。
「奥様、ダリアです。失礼致します。」
ダリアと言った女性は胸を押さえた私を見て駆け寄って来た。
「イーリス奥様如何なさいましたか?」
「ーーーーむ、ーーむねーーーーが」私は入って来た女性に助けを求めた。
駆け寄って来たダリアはただ私を眺めているだけだった。
こんなに胸が苦しいのにーーーーどうしてーーーー。
「な~んてね、いい加減にして下さい私はいそがしいんです。起きたのならさっさと着替えて下さいよ。」本当に面倒な奥様だわ!とブリブリと怒っていた。
まだベッドでぐずぐずしている私にダリアは私に服を投げつけた。
なんなのこの女、私がこんなに苦しんで居るのに。
「ダーーリア、おー医者様を呼んでーーーー」
ダリアがニタリと不適に笑いーーーー
「誰に物を言ってるの、ダリア様お医者様を呼んで下さいでしょ。」早く言い直せ!とダリアは私の頭を枕に押しつけた。
「きゃぁやめて!」
私、又死んじゃうの?それだけは嫌!嫌だ!
私はありったけの力を振り絞って起き上がった。私はダリアを押し倒しその隙にベッドから降りて急いで掛けだした。
もう少しで廊下に出る、私は転けそうになりながら部屋のノブを回したーーーーが軽い誰かが外から扉を引いたのだ。
「わっ、ーーーー」
後ろから「待ちなさいイーリス」とダリアが叫んでる。
もうダメだ殺されるーーーー
引かれた扉の前に大きな人影を感じた。
「たすーーーーけーーて」私が倒れながら黒い影にすがった。
「死にたくないーーーー。」私は力尽きた。
「ダリアーーーー私の妻に何をした。」
ダリアを睨みつけるケーニスクス公爵家当主ゲオルグがそこにいた。