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待ってくれ。俺の式神が残虐なだけなんだ~最凶陰陽師、実は凡人~
待ってくれ。俺の式神が残虐なだけなんだ~最凶陰陽師、実は凡人~
村山朱一
現代ファンタジー異能バトル
2025年02月12日
公開日
3,897字
連載中
式神『管狐』を従える陰陽師、土御門 京には悩みがあった。
『管狐』が強すぎる。
あと残虐すぎる。
ちょっと使うとすぐ死体の海が出来上がる式神に悩まされる土御門。人は彼を、『血だまりの』、と呼ぶ……。

現代ファンタジー勘違い異能ヤンデレバトル、開幕!

*同作はカクヨム様でも連載させていただいております。

第1話 ご主人さまぁっ♥

「すべて、すべてすべてすべてすべてすべて――――ご主人さまのためです」


 そう告げると、管狐はにんまりと微笑んだ。



 雑居ビルは血で濡れていた。

 死体の数は十を下らない。


 それぞれスキンヘッド、高そうなスーツ、ドスを持つ者もいれば、拳銃を握ったまま……腹を食い破られている者もいる。

 ぜんぶ、死んでいる。

 無数の死体の上に、俺は立っている。

 俺と管狐は、立っている。


「ご主人さまぁ……♥」


 漏らす声は甘く。


「どうか、どうか管狐を……♥」


 揺れる瞳は蠱惑的な金色。


「褒めて、なでなで♥ してくださいなぁ……♥」


 長く黒い髪。

 返り血に濡れた、黒の着物。

 白い頬を血で染めた、狐耳の生えた、十二歳程度の少女。


 管狐。


 俺の、式神。

 俺の、下僕。

 そして、俺の……







「ごめん、ここまでやれって、俺絶対に言ってない」






 最大の、悩みの種だ。


「(´・ω・`)」


 そんな顔してもダメ。

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