『【④777の恩恵】??? 条件が全て整いましたので発動及び条件を開示します!』
その時、突然女神様の
(やったビンゴだっ! やはり最後の【信】の条件が整ったからだ)
『戦闘環境7人×3により一段階解除』
(ああ、それでギルド長はあんな編成を、納得……)
『①職業チャラ男スキルの内訳【オートナンパスキルレベル7】【チャラ男スタイルレベル7】【チャラ男の勘レベル7】により二段階解除】』
(スキルレベルも7×3かなるほどね)
『仁義八行の仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌のうち義・礼・智・忠・信・孝・悌の条件を満たしたことにより【④777の恩恵】を完全解除します! なお、この条件は深度3をクリアして解除とみなします!』
(なるほど、それで先程深い思いが生じたから、条件をクリアしたってわけか、厳しいな)
その時、夜空に輝く満月はより強い光を放ち、それは俺の体に降り注ぐ!
その為か俺の体が軽くなりでも、力が溢れて来る不思議な感覚に陥る。
(今なら何でも出来そうな気がする)
そんな感じだ。
「ギルド長行きましょう!」
「ああ! では共に行こうか! 水魔龍エウムを倒しに!」
俺らは迫り来る数十メートルの超ビッグウェーブの波に果敢に乗っていく!
(正直、今怖いとか死とかの感覚は微塵も感じていない)
今考えている事はとっとと水魔龍エウムを倒し、レノアとキャッキャウフフすることだ!
「よし! このままジャンプして、その勢いで奴の角をへし折るぞ!」
「はい!」
俺らは上手く波の頂点を利用し、スーパージャンプしていく!
「うおおおおおおおおおおおおっ!」
気合と共に空をサーフィン板ごと
飛ぶタイミングもバッチリでジャンプそのものは上手くいった。
が、勢いがつきすぎて、俺達は水魔龍エウムの頭上をものすごい勢いで通り過ぎてしまう。
「あ」
俺とギルド長の声なき声が見事にはもる。
(……あるある、て良くねーよ! どーすんだこれ⁈)
「杉尾君! この風に乗って!」
その時、前方からドラネスさんの声と共に突風が俺達に向かって吹きける!
(きっと風龍エグゼニの風の力だろう。超ありがたい!)
俺とギルド長はその風に上手く乗り、水魔龍エウムの頭上に飛翔していく!
(おお? なんか不思議なエメラルドグリーンのラインが見える?)
777の発動恩恵のお陰か、不思議な事に俺には風の流れが可視化出来ている。
てなわけで、あとはサーフィンの要領で風を乗りこなせればいい。
お陰で俺達は水魔龍エウムの攻撃を難なく回避し、奴の角の真近に急降下していく。
さっきギルド長を見て学んだ事だが、この777の発動能力を高めるには最後の条件を更に強く願えばいい模様。
だからか、ギルド長はひたすらにスリルを【楽しんでいる】。
もしかしたら、さっきの「水魔龍エウムの頭上をものすごい勢いで通り過ぎてしまう程のいかれたジャンプ」も、全てはこの時の為にやったんじゃないのかと思えてしまう。
その結果、ギルド長の体は虹色に神々しく光っているしね。
俺も自分のスキルを最大限に上げる為に色々とレノアとのデートプランを考える。
そのお陰か、自身の体を纏っている光が徐々に強くなっていく!
が、これだけではまだ奴の角をへし折る力が足りない。
そう、だから俺は敢えてこの言葉を口にするのだ。
「うおおおおおおおおおおおおおっ! レノア! デートはセカンドビーチでオレンジ色のビキニ着用でお願いしまああああああああああああああすっ‼」
(言ってやった! だが後悔はしていない)
仕方が無いだろう! 俺のスキルを最大限に発揮するため、きっとレノアも分かってくれるはず!
(ま、
そして俺のその勇気? が届いたのか、俺の体も虹色の光を放つ!
「ふはははははははははは! いいねえ! なかなか楽しませてくれるじゃないか杉尾君!」
「はい! では、共に楽しみましょうかギルド長!」
俺はレノア、ウィンフィルさんそれに町の皆との思い出を思い出す!
『【④777の恩恵】特別おまけ。そう、その心こそが貴方が最初から持っていた【仁】。貴方が777番目に選ばれた理由よ……。ギルド長達と力を合わせて杉尾!』
俺は女神様が言っている内容を天啓として瞬時に把握する!
(これは俺とギルド長の……いや、皆の合わせ技だ!)
「このまま風の力を利用し、スパイラル攻撃しましょう!」
「おう! いいアドバイスだ!」
心底楽しそうなギルド長と手を組み、俺とギルド長は
「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ! くらえこれが俺達のレインボー回転ドリルサーフィン777斬りっ!」
俺らの気合と共に放ったレインボー回転ドリルサーフィン777斬り!
それが水魔龍エウムの角をまるでミキサーのように粉々に切り刻んでいく!
「グオオオおおおオオオオオオオオオオオオオオ!」
凄まじい絶叫と共に、水魔龍エウムの巨体もその砕けた角同様に粉々になっていく……。
(や、やったのか……⁉)
力を使い果たし、精魂力尽きた俺達はそのまま意識が遠のいて行く……。
「……杉尾っ! 僕の手に掴まれっ!」
空中を落下していく感覚と共に、レノアの叫ぶ声が聞こえた気がした……。