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第20話 超獣決戦

(えっと、遠目に大量のデビルシャークやデビルクラーケンなど、水魔龍エウムの手下共が大量に向かってくる姿が見えるんですが⁉) 


 しかも、味方の軍用船は物凄いスピードで後方に下がっていくし……?


(や、やべえ……) 


 そう思った瞬間に俺達の横を凄まじいスピードで通り過ぎる巨大な何か……。


 良く見ると紅蓮の炎に包まれたフェニックス、更にその横には風を纏った巨龍がそのデビルシャーク達に向いブレスを吐き殲滅しようとしているではないか⁈


(な、何ですかこれ? 超獣大決戦やないですか……⁉) 


 驚いている俺に誰かが何か言っている声が聞こえて来る!


「杉尾君! 俺達も風龍エグゼニと共に援護するんで、君はギルド長と共に水魔龍エウムの討伐を頼む!」


(ん? この声なんか聞いたことあるな?)  


 俺はふと上空を見上げ、声の聞こえる方向を追う。


 良く見ると何と巨龍の背にドラネスさんが跨っているではないか⁈


 俺の予想じゃ、この風龍エグゼニはレオナが召喚した召喚獣。


 ちな、フェニックスはウィンフィルさんが召喚したに違いない。


(……この流れ、俺も腹くくるしかないかあ……) 


「良く分からないけど、分かりましたっ!」


(うん、自分でも何て言っているか分らねえ……) 


 分かっている事は、ギルド長と共に水魔龍エウムを討伐すること!


 ということでだ……。


「……ギルド長! 俺水魔龍エウムを倒すにはどうしたらいいんですか!」


『①職業チャラ男スキルの内訳 【チャラ男スタイルレベル7】光のチャラ男道に少し近づく』


 うん、また光のチャラ男になれたっぽいが、正直今はそんな事を考えている余裕はない。


「良し、その言葉を待っていた! では、共に行こうか!」

「はい!」


 俺は粉みじんになっていくデビルシャーク達を避け、荒れる海の中ヤケクソ気味に小舟を漕いでいく。


 そう、遥か前方でフェニックスと死闘を繰り広げている水魔龍エウムを目指して!


「ふう、はあ。こ、これだけ海が荒いと小舟じゃもう無理ですね。転覆しますよ!」

「その通り! だからこれを使うんだ!」


 ギルド長は当然とばかりにサーフィンボードを海面に素早く置く。


(……ま、マジ……⁈ じ、冗談でしょ?) 


 確かに練習はしてきたので、高波10メートルのビッグウェーブなら何とか波に乗れますが……?


(い、いや……迷ってる場合じゃない……!) 


 何故ならフェニックスと水魔龍エウムの戦いの余波で、前方から襲ってくる来る数メートルの波がもうこちらに来ているのだ……。


 俺も腹を括って、急いで小舟からサーフィンボードに乗り換える!


 んで、波音をたて迫り来る高波っ!


「う、うおおおおおおっ!」


 俺とギルド長は文字通り上手く波に乗り、事なきを得た。


 が、俺達が乗っていた小舟は波にのまれ、何処かに流されて行ってしまったのだ!


「……はっはっは! いい波乗りだ! 上手くなったな杉尾君!」

「いやいや、笑ってる場合じゃないですって!」


(……っ!) 


 俺とギルド長は殺気を感じ、エアリアルしデビルシャークの頭にサーフィンボードの側面を押し当て、ぶった切り上手く着地する!


 更には後方から風龍エグゼニが支援のウィンドブレスで海中のデビルシャークを切り裂いていく!


「よしよし、申し分ない! 【フェニックスの加護】の効果が切れる前に近づくぞ!」


 なるほど、これもギルド長の計算のうちってわけか……。


(ウィンフィルさん、マジで感謝します!) 


 それはさておき問題は……。


「分かりましたっ! 勿体ぶらず倒し方を教えてくださいっ!」


 俺達はサーフィンボードをパドルしながら、更には波が来たら波に乗りながら徐々に水魔龍エウムに近づいて行く。


「シンプルだ! あいつのデカイ角が2本あるだろ?」


(ええ、確かにスッゲー固そうで人よりデカイいかつい黒角がありますね……) 


「ってま、まさか……⁈」

「そうだ! 私と君で一本ずつへし折るんだ! 何せあれが奴本体の魔力の供給源だからな!」


「ひ、ひええええっ⁈」


(む、無理だろ……?) 


 というのも、あのフェニックスの攻撃でもあの角へし折れてないんだよ?


(しかも、まず角にも届かないだろ? どうするんだよ? 後、武器はどうするんだよ? 俺ボーガンしか持ってないぞ?) 


「ふむ、まあ驚くのも仕方ない。私が手本を見せるのでついてきなさい!」

「は、はいっ!」


 俺達はサーフィンボードを漕ぎ、時には波に乗りながら更に水魔龍エウムに近づいて行く。


 その時、フェニックスと水魔龍エウムの戦いの余波で、前方から襲ってくる来る数メートルの波……。


(い、いや? こ、これは?)


「……よし来た! これを待っていたんだ! 杉尾君っ私についてきなさい!」

「……む、無理ですっ……」


 俺は思わず首を横に振ってしまう。


(こ、これは本当に無理……) 


 そう、前からは今まで見たことない数十メートル級の超ビッグウェーブが俺達の目の前に立ちふさがっていたのだから……。

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