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777番目に転生した俺の職業はチャラ男でした! -隠しスキル777で俺は理想の彼女をゲットし大商人になり上がる-
777番目に転生した俺の職業はチャラ男でした! -隠しスキル777で俺は理想の彼女をゲットし大商人になり上がる-
菅原みやび
異世界ファンタジー冒険・バトル
2025年02月10日
公開日
6.3万字
連載中
【これはチャラくない真面目なチャラ男の物語】
流行りの謎解き要素もあるよ!

現世にてIT企業に勤めていた主人公、名は真面目 杉尾(まじめ すぎお)。

名前の通りその生真面目さが災いし、過労の心臓マヒで死んでしまうことに……⁉

だがしかし、そんな彼に異世界の女神は救いの手を伸べる。

そう、杉尾はその真面目さが故に異世界にて777番目に転生し魂を持つ男だったのだ!

女神はそんな杉尾に最強武器などを与えようとするが、杉尾はそれをキッパリと断ってしまう!

なぜなら、杉尾には生前したかった事があったから……。

「正直魔王討伐とかどうでもいいので、その願いを叶えたい……!」 

女神は杉尾の言葉に静かに頷き、「せめて貴方がなりたい職業に……」と静かに天に祈る。

すると不思議な事に杉尾は大草原に、正面に町が見える場所に飛ばされていたのだ⁉

異世界を満喫すべく、勇んで町に入る杉尾。

が、杉尾が着ていた現代のスーツ姿に不審がられ、職業安定所(教会)に連れられてしまう。

職業の水晶にて、職業を鑑定される杉尾。

そこで、表示された職業はなんと【チャラ男】だった⁉

そう、彼はチャラ男として異世界に転生してしまったのだ……⁉

戸惑うチャラ男、もとい杉尾……。

杉尾は「チャラ男って職業だっけ?」と思いつつも、女神とのやり取りを思い出してしまう。

「そ、そうか、思い出したぞ! 俺は異世界で自由気ままに彼女を作りたかったんだ! 魔王? 世界の平和? 知らね!」

どうなる異世界! どうなる杉尾! どうなるチャラ男!

これは真面目なチャラ男が理想の彼女を探すため、隠しスキル777などを駆使し、仲間達と努力し、成長し、大商人になり上がっていく物語!

今、ここに適当にチャラ男の冒険がゆるーく開幕っ!

この作品はなろう様等にも投稿しております。

※この作品はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありませんし、当然チャラ男という職業は現在にはありません!

第2話 俺の異世界の職業は

「まてっ⁉ 貴様っ! 何奴っ!」


 俺が昔のイタリアやフランスを彷彿させる洋風の町中に入ろうとした瞬間、アイアンメイルを装着した屈強な門番AとBに阻まれてしまう!


(し、しまった! 門番がいるパターンは失念していたな? こ、困ったな、ど、どうしようか?)


 よく考えたら俺の服装黒スーツの現世のままだし、異世界だと違和感ありまくるだろうしね。


(よ、よし! こうなったら……!)


「あの、俺実はですね……」


 俺は正直に、女神アステラと話した内容を簡潔に門番に話す事にした。


 幸い言葉は通じる。


 きっとこれは、「さっきの女神の祈りの加護で言葉が通じるようになった」ってやつだろう。


 転生系あるあるの万国共通のやつだ、悩む内容じゃない。


「ふむ、確かにこの町ではその服はあまり見かけない」

「それに、話が本当なら異世界からの転生者の可能性が高いな……」


(お、何故か分かってくれているっポイな?)


「よし! 職業安定所に連れていくぞ!」

「こっちだこいッ!」


「え? ええっ! ちょっとまっ……」


 こうして、俺は異世界の職業安定所に無理やり連れられて行くことになったわけである。


   ♢


 数十分後……。


 俺は町のど真ん中に建てられている職業安定所に無理やり連れてこられる。


 ……俺はため息をつきながら、その職業安定所内を観察していく。


 綺麗なカラフルなステンドグラス窓に程よく室内に配置されてある木製の質素な机や椅子が散見される。


(えっと? 見た目まんま教会の中なんですが……)


「あとはお任せしましたぞ! シスター!」


 俺がそんな事をしている間に、俺を連れて来た門番達は教会もとい職業安定所から出て行ってしまう。


(って、え? シ、シスター?)


 俺は出て行った門番達の視点を追う。


 すると、そこには黒い修道服を身にまとった、スタイルの良いちょっとエロチックな、もとい魅力的なシスターがそこに佇んでいたのだ。


「女神アステラよ。この出会いに感謝します……」


 シスターは数字の4を描くが如く、手を動かし祈りを捧げる……。


 彼女の黒い布地のフードから覗く銀髪はまるで銀糸のように俺には見えてしまう。


 それにこちらを見つめるけがれなきエメラルドグリーンの瞳……。


(う、美しい……! 心も見た目も……)


 そして俺は次の瞬間とんでもない事を口走ってしまう!


「これも女神様の御導きです。もし、良かったら俺と付き合いませんか……? あ、俺の名前は杉尾!  で、貴方のお名前は?」

「……え? わ、私はシスター【リスキル】……って、えっ⁉」


 シスターは突然の俺の奇行に面食らい、まるで石の如く固まってしまう。


 うん、話した俺もビックリしてる……。


(ち、ちょっと! 俺、職場に女性いなかったし、女性と会話した事なんか一回も無かったぞ! コンビニかスーパーのお姉さんくらいしか話したことねえっ(2回目の血涙)!) 


 それが会話にカウントされるかの細かい話はさて置いて……。


(い、今のは何なんだ……?)


『それは、貴方の職業のスキルが自動発動したからよ……!』


 何者かの暖かく優しい声が、教会に響き渡る……。


「こ、これは女神アステラ様の声っ……!」


 シスターリスキルは急いで両手を組み合わせ、天を仰ぎ見ている。


『時間が無いの、分るわね? だから単刀直入に命令するわ! リスキルっ職業鑑定の儀式を!』

「は、はいっ! ということで、杉尾さんこちらに!」


「えっ? あ、は、はいっ!」


 女神の叱咤を聞き、シスターリスキルに案内され数分後……。


 俺は訳が分からないまま、懺悔の間に連れられ1人ポツンと佇んでいた。 


 俺は黒いカーテンに覆われた狭く薄暗い個室にいて、その木壁の向こう側にシスターのゴソゴソと何か用意している気配を感じていた。


「杉尾さん、これを!」

「あ、ハイ?」


 木扉が開き、机の上に成人男性の頭くらいの大きさの水晶玉がそっと置かれる。


 俺は丸い透き通ったそれをまじまじと見つめる。


「あの、これは?」

「時間が無いので簡潔に話します。その水晶玉を両手で触れて、アステラ様とのやり取りを思い出してくださいっ!」


 返事の変わりに、シスターリスキルの若干焦り気味の回答が帰って来る。


「あ、ハイ……」


 その圧に気圧され、俺はシスターに言われるがままにする。


『杉尾さんその水晶に表示されている物が貴方の職業よ……』


(あ、なるほど! それでここにね) 


 俺は女神様のその言葉で、色々と理解出来た。


(それにしても俺の適正職業か。昔は社畜だったけど、ここでは何になるんだろうか? どれどれ?)


 俺はどう見ても体格がもやしで体育会系じゃないし、魔法使いとか商人とかだろうなきっと。


(ああ、異世界で可愛い彼女作ってのんびりスローライフ生活悪くないな……)


 しかし、俺のそんな思いとは裏腹に水晶に映っていた物はそのどれでも無かったのだ。


 俺が知っている転生物には無い職業……。


 ……【チャラ男】……。


 と、水晶にはくっきりはっきりと表示されていたのだった⁉


「……ど、どうですか? 水晶には何と映っていましたか?」

「チ、チャラ男……」


 俺は小声で申し訳なさそうに呟く。


(こ、こんな馬鹿な……? お、俺は周囲から真面目過ぎると言われ続けてきた男っ! 名前も真面目杉尾まじめ すぎおだぞっ……⁉) 


「え? ま、またまた御冗談を……」


 木壁を通し、かすれたシスターの苦笑が聞こえてきますが?


 そりゃそうだろうさ、俺も理解出来てないしさあ……?


『悲しいけどシスター本当よ……』

「あ、アステラ様……? じ、じゃあ本当に? ど、どうして……? 彼は777番目の選ばれし転生者のハズなのに……!」


 シスターは震え声で女神アステラになにやら訴えてる模様。


『仕方ないのシスター、これは彼が望んだ強き願い……。この私でも改変する事は最早出来ないの』

「あ、そ、そんな……! ああ……ど、どうしてこんなことに……! せ、世界が闇に……あ、あ……」


 シスターは女神の回答に納得出来ていないのか、失意のあまりむせび泣いてますが……?


(あ、あの……ショックなのはわかるけど、そのシスターの傷つき様、俺が更に傷つくんですけど……?)


『申し訳ないけど、筆者の集中力と文字数の関係で、じゃなかった! こちらに干渉するのに力がもう足りないから、これを杉尾さんに預けるわ……えいっ⁉』

「あ、ああっ!」


 なんかよくわからん事を述べている女神の掛け声と共に、俺の体は虹色に光り輝く!


 更には体に何か不思議な力で満たされた事が理解出来た。


「い、一体俺に何を?」

『貴方に【チャラ男のスキル指南書】を授けたわ! 内容は【スキルの説明と成長の指南】で分かるので自分で調べて頂戴ね! では文字数の関係で私はいくわ』


「あ、ああ……! め、女神様の気配が……」


 俺も展開が早すぎて、何が何だか良く理解出来てない状態だ


 シスターの言葉で、女神アステラの力の干渉は消えたってことぐらいしかわからない。


 しばらくし隣の木の扉が開き、そこから目を真っ赤に腫らしたシスターが姿を表した。


(そ、そんなにショックだったの? な、なんかちょっと可哀想だな……。と、とりあえず、このままだと気まずいし、相談にのって貰おうかな……)


「あ、あの質問なんですが」

「はい、どうぞ……」


「俺のここの世界の役割って……?」


 多分予想するに、魔王討伐やら、世界の理に反する何かを退治とかそんなんだろうけどね。


「チャラ男……です」

「……え?」


(ち、違ったっ⁉ て、ま、マジですかっ?) 


 俺の予想を裏切り、真顔でコクリと頷くシスター。


 そ、それはそうとして、チャラ男って職業であったっけ……?


 俺の脳裏にまともな思考が浮かぶ。


「女神様の意思と言葉は絶対です。貫き通してくださいね?」

「あ、ハイ」


(……そ、そうか……! よく考えたら勇者って魔王討伐の為の世界の奴隷だしな。それじゃ、前の社畜と本質的に変わらないじゃないから、女神様は……! そ、そうかっ、ならば俺はチャラ男を全力でやるしかないっ!)


「あの、シスターこの【チャラ男のスキル指南書】の使い方なんですが……」

「心を込めてスキルの何を知りたいか考えてください。それだけで女神様の奇跡の力は発動します」


「あ、ハイ……」


 俺は言われたまま、先程「シスターを口説いたスキルと自分が持っているスキルが知りたい」と強く願う!


『私は【チャラ男のスキル指南書】。で、早速解説するわ! 貴方が持っているスキルは次の4つ』


 不思議な事に女神アステラの可愛らしい声が、まるでイヤホンを装着しているかの如く聞こえてくる。


(なるほど、女神の声でスキル解説してくれるアレか。で、職業チャラ男以外にも言語翻訳スキルとかお決まりの初期スキルがあるわけだな、ふむふむ) 


『①職業チャラ男スキルの内訳 今のところ【オートナンパスキルレベル2】のみ。つかっていけばスキルレベルとそれに付随した派生ツリーが発生するわ』


 ゲームとかでよくある使用して楽しいアレですね。


 オートナンパスキルはさっき1回シスターに使用したからレベル2になったんだろう、きっと。


 ということでだ……。


(申し訳ないが、後でもう一回シスターで試させてもらいその変化を体験させてもらうとしますか!) 


 なにしろ、比較対象が同じじゃないと、何が変わったか分からないしね。


 今はとりあえず、他のスキルの説明を聞くとしよう。


『【②言語翻訳スキル】村人から魔王まで会話できる優れもの』


 まんまやな、次。


『【③異世界冒険者収納セット】貴方の背負っているリュツクにその機能を付けといたわ。そのリュツクには何でも沢山入るわ。追加で色々入れたから確認しといてね!』 


(これもまんまだけど、リュックの中に現世のペットボトルとキャンプ用のナイフとか入れてたから、しばらく何とかなりそうな便利セットだな) 


 別名異世界あるある便利セットでしょう。


『【④777の恩恵】???以上です!』


(く、くそっ! 最後のスキルがよくわからない。秘密系で解除に時間かかるタイプだな多分。まあ、裏スキルくさいけど……)


「あ、あの、どうだったでしょうか?」

「あ、うん、ありがとうシスター! お陰様で全部理解出来たよ……。あ! でまだ聞きたい事があるんですけど」


「は、はい……? な、何でしょう?」


 俺は早速【オートナンパスキルレベル2】を使用しようと念ずる……。


「これも女神様の御導きと思いますし、どうです? 良かったら俺と付き合いませんか……? あ、俺の名前は杉尾。再確認ですが、貴方のお名前と


「……え? 私はシスター【リスキル】。って、え? 住まいはここですが? ……って、はっ……⁉」


 なるほど、名前の他にわけか……。


(……これ、悪用すると結構ヤバイスキルではあるな) 


「あ、ごめんねシスター。ちょっとスキルの変わり具合を知りたくてさ、それでまた使っちゃったんだ!」

「あ、ああ……! そ、そういうことですか……」 


 俺は軽く片目でシスターにウィンクする!


(うん! これこれ! チャラ男っぽくて、いい感じだな! これからは少しずつ頑張ってチャラ男になっていこう! うんうん!)


 何だかシスターも少し微笑んでくれてるしね。


 チャラ男のこの明るさ、今の俺には悪くないかもしれん。


「色々親切に教えてくれてありがとう! では、俺は冒険に出るんでまたね!」

「……あ、ハイ! 貴方に、女神アステラの加護があらんことを……!」


 こうして俺は明るくシスターと別れ教会、もとい職業安定所から出ていくのだった。


『①職業チャラ男スキルの内訳 努力により追加スキル会得 【チャラ男スマイルレベル1】会話相手を明るくする! 頑張れチャラ男!』


(……ん? はて? 何か今聞こえたような?)

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