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第四章: 雪の結晶に込められた夢

スノーグローブ・フェスティバルの夜が訪れた。テーマパーク全体が幻想的な光に包まれ、来園者たちの笑顔が輝く。夜空には無数のホログラムが浮かび上がり、一人ひとりの「夢」が映し出される。


夏樹は、シアターの入口に立ちながら、その光景を見つめていた。かつては自分にとって無意味に思えた「夢」という存在が、今は違って見える。彼の心の奥で、何かが形を成そうとしていた。


「もう一度、試してみないか?」


ふいに、背後からダニエルの声がした。彼の手には、夏樹に渡した雪の結晶型オブジェが握られていた。


「自分の夢が見つかるかどうかじゃない。大切なのは、それを探し続けることさ。」


夏樹は静かに頷き、シアターの中へと足を踏み入れる。そして、ドリームインサーターを装着し、目を閉じた。


――次の瞬間、スクリーンに映し出されたのは、子供の頃に描いた「未来のテーマパーク」だった。


そこには、人とAIが共存し、誰もが夢を見つけ、それを形にできる場所が広がっていた。かつて諦めていたはずの景色が、今、目の前にあった。


「これが……俺の夢……?」


夏樹は驚きとともに、静かに微笑んだ。


葵が駆け寄り、スクリーンの映像を見て感動した表情を浮かべた。


「やっぱり、夏樹くんにも夢があったんだね!」


ダニエルは満足げに頷きながら言った。


「夢は形がないものだからこそ、ずっと追い続けられる。お前は今、その第一歩を踏み出したんだよ。」


雪が舞う中、朝日がテーマパークを優しく照らし始めていた。


夏樹は深呼吸をし、ゆっくりと未来へ向かって歩き出した。



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