「おっとっと……わ、わわわっ」
「綾小路っ────!」
間一髪。
大きく両手を開き、前のめりによろけた
「だ、大丈夫か?怪我はないか」
「か、堅倉先輩」
必死で尋ねた俺に、綾小路がぎゅっとしがみついてきた。
「とっても怖かった……」
「はうっ」
「え?」
「あ、いや、何でもない。無事であ良かった」
どさくさ紛れに抱き返し、ふわっとした癖毛を恐るおそる撫でてやると、何と彼奴め、俺の胸板に頭をぐりぐりと押し付けてきた。
はたと気づいた。
震える肩があまりにか細く可憐で、丁度眼にした奴の項があまりになまっ白くって、ひどく儚い。
そういえば俺たち今、裸同士だったよな……
意識し始めたとたん、先刻のハプニングでひゅんと縮み上がっていた股間が、再び頭をもたげてきた。
(くっ、平常心だ、平常心)
その上麒一郎の奴が、やたらと乳頭辺りで顔をぐりぐりしてくるものだから。
(心頭滅却すれば、火もまた……)
「センパぁぁい……♡」
(ぐあおおおおっ、燃え上がるーーっ⤴︎)
とうとう俺の興奮は、
不味い、これでは固く締めた褌越しでも、綾小路にバレてしまう。
「あ、綾小路、しっかりしろ、いつまでもべそをかいていては、立派な将校にはなれんぞ」
叱咤(のフリ)とともに、グイッと奴を引き剥がすと、俺は急いで後ろを向いた。
だが……
「え、先輩?」
「た、大変です、堅倉先輩。先輩の股が大きく膨れております!」
「や、これは違っ……ふおぉっ」
ピト。
否定する間もなく、綾小路が
その上、
「先輩、大変です、鼻から、ち、血が……」
「え゛……?」
ツーーーー…
不覚にも俺は、興奮のあまりすっかりのぼせ上がり、鼻から血を吹いてしまっているようだ。
「お、俺は、このぐらいのこと……うっ、
うーん」
バッシャーン。
ふと目の前が暗くなり、身体が傾いていくのが分かった。
「センパイ、センパーーイ…………」
綾小路の声が、遠くに聞こえた。
ぷく、ぷく、ぷく……