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第8話 ハプニングと痩せ我慢

「おっとっと……わ、わわわっ」

「綾小路っ────!」


間一髪。


   大きく両手を開き、前のめりによろけた彼奴きやつを俺は、何とか転倒する前に抱き留めることに成功した。


「だ、大丈夫か?怪我はないか」

「か、堅倉先輩」


   必死で尋ねた俺に、綾小路がぎゅっとしがみついてきた。


「とっても怖かった……」

「はうっ」

「え?」

「あ、いや、何でもない。無事であ良かった」


   どさくさ紛れに抱き返し、ふわっとした癖毛を恐るおそる撫でてやると、何と彼奴め、俺の胸板に頭をぐりぐりと押し付けてきた。


   はたと気づいた。

  震える肩があまりにか細く可憐で、丁度眼にした奴の項があまりになまっ白くって、ひどく儚い。

   そういえば俺たち今、裸同士だったよな……


   意識し始めたとたん、先刻のハプニングでひゅんと縮み上がっていた股間が、再び頭をもたげてきた。


 (くっ、平常心だ、平常心)


   その上麒一郎の奴が、やたらと乳頭辺りで顔をぐりぐりしてくるものだから。


(心頭滅却すれば、火もまた……)


「センパぁぁい……♡」


(ぐあおおおおっ、燃え上がるーーっ⤴︎)


   とうとう俺の興奮は、最上級マックスに達してしまった。

   不味い、これでは固く締めた褌越しでも、綾小路にバレてしまう。


 「あ、綾小路、しっかりしろ、いつまでもべそをかいていては、立派な将校にはなれんぞ」


   叱咤(のフリ)とともに、グイッと奴を引き剥がすと、俺は急いで後ろを向いた。


 だが……

「え、先輩?」

  を目聡く見つけた綾小路は、あろうことか俺の前に回り込んだ。


「た、大変です、堅倉先輩。先輩の股が大きく膨れております!」

「や、これは違っ……ふおぉっ」


ピト。


   否定する間もなく、綾小路がに御手を合わせてきたものだから、 ただでさえいきり立っていたソレがすっかり反り返り、今にも飛び出しそうになってしまった。

   その上、


「先輩、大変です、鼻から、ち、血が……」

「え゛……?」


ツーーーー…


   不覚にも俺は、興奮のあまりすっかりのぼせ上がり、鼻から血を吹いてしまっているようだ。


「お、俺は、このぐらいのこと……うっ、

うーん」


    バッシャーン。


ふと目の前が暗くなり、身体が傾いていくのが分かった。


「センパイ、センパーーイ…………」


   綾小路の声が、遠くに聞こえた。



ぷく、ぷく、ぷく……













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