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第11話 今の俺が思うこと

 俺は自分の部屋で椅子に座って机に向かっていた。

 そして、腕を組んで考える。

 さて、どうしたものか。


「これって、川村先輩には言わない方が良いよな」


 何かの拍子に学校全体ばれたら肥後先輩からの信頼は一生得られない。 これは、今後のためにも大きなマイナスになる。 それに、肥後先輩の話を聞く限り、この学校は私立ということもあって先生に相当強い権限がある可能性が高い。 もし、俺がSSクラスの件について知っていると分かったら何かされる可能性も捨てきれない。

 俺は、後ろを振り向いて部屋全体を見渡す。


「よし。誰もいないな」


 俺は、小さな声でつぶやいた。 そして、念のために机周りに盗撮機械が無いかも軽く確認する。

 よし。

 まあ、ここは俺の部屋だし大きな心配はいらないか。 俺は、事の顛末を持っていたルーズリーフに書いた。 今日の肥後先輩の表情とか真剣さとかを思い出しながらゆっくりとできるだけ丁寧に書く。 もちろん、情報の出どころや細かいところはぼかしておく。 そして、ちょうど表面が埋まるほどで手紙は完成した。 後は、事務室に落とし物として提出するだけ。

 俺は、その場でゆっくりと立って大きく背伸びをした。 ぐぅっと延ばすと背骨がぽきぽきという音がした。そして、そのままベッドに飛び込んで横になった。 正直、文化祭実行委員会を始めるまでぼっちだった自分からしてみれば大きな進歩はたくさんあった。 人間、やれと言われればどうにかなるところもあるんだなと身を持って実感した。 まあ、肥後先輩から話を聞き出せたのはほとんど川村先輩のおかげだけど。

 でも、川村先輩には何て言おうか。 内容は話すことができないから上手く解決しましたと言って頑張って納得してもらおう。 あと、川村先輩が賄賂問題をどうやって解決したのかも気になる。 あの様子だと靴を隠したことなどのいじめの件も解決していると見るべきだろう。 まあ、次の実行委員会で聞けばいいか。




 これ以上1人で考えても仕方がない。

 俺にできることは全てした。

 その気持ちだけで今日はとりあえず寝よう。

 ふかふかの毛布が気持ちいい。

 今までの勉強を繰り返す日々とは別の疲れ。

 体全体の疲れを感じる。

 今日は良く寝ることができそうだ。

 そう考えた時にはすでに夢の中だった。 










この物語の続きは、しばらくしたら公開予定です。

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