俺の名前は成実優気なるみ　ゆうき。中学３年生だ。

　このままいけばあと一カ月で卒業を迎えることになる。

　本来なら早く受験を終わらせて卒業をしたいと思うだろうが、俺には重大な心残りがある。

　それは、中学１年生の時から好きだった子に告白できていないことだ。

　その子の名前は平野ひらの桜さくら。

　１年生の時から同じクラスで、俺がいつの仲良くしているグループの中の１人。

　本当なら２年生の時にでも告白しようと考えてはいたが、いざその時になるとグループの関係性を崩してしまうのが怖くてできなかった。

　そして時は流れてしまい、何もしないでいるとこの時期になってしまった。

　普通の中学３年生ならこの時期は勉強を最優先にして恋愛なんてしている場合ではないというだろう。

　でも、俺はこのまま卒業して後悔だけはしたくない。

　この物語は残り１カ月の中学生活で、ただの友達から人生のパートナーへの大逆転を目指す物語だ。