冒険者ギルドで全ての予定が終わった後は、ミネバの護衛依頼に必要な物の買い出しをすることにした。
ポロ村までは10日ほどなので、できあがった料理をたっぷり仕入れようと思ったが、ゼシカに意見を求めたのは間違いだった……。
「肉厚のステーキにローストビーフ。あとは肉汁たっぷりのハンバーグも必要ですね。あっ、野営ならバーベキューをしましょう! 新鮮なお肉もたくさん必要になりますね! デザートにはビーフサンドも必要かな?」
「姉様? サンドイッチはデザートじゃありませんよ?」
ゼシカの口からは肉料理以外は出てこなかったの。デザートにビーフサンドなんて言うから、アナが思わず突っ込みをいれた。
そんな訳で、アナとリューネに指示を出して、魚料理やサラダも購入してもらい
「これだけあれば十分かな?」
私が従者達に声をかけると、アナとリューネは頷いていたけど、ゼシカだけは少し物足りなさそうな表情で『ボソリ』と呟いたの。
「肉料理が少ないと思うんですよね。あれだと5日くらいで無くなると思うんですよね」
「圧倒的に肉料理が多いんだよ? 10日で食べ切れるのか不安になる量だと思うけどね」
「そうですか? アリス様がそう言うなら従います」
まぁ、たくさんの食べ物を購入した結果。今回の護衛依頼で得られる依頼料を遥かに超えてしまい、赤字確定となってしまったの。まぁ、利益とかを気にしていたら、楽しく護衛ができないと思ったので、そのことを従者達に伝えたの。
「まぁ、今回の依頼は赤字になったけど、利益ばかり気にしてたら楽しくないよね? なにをするにも楽しむことが最優先だからね」
「「かしこまりました」」
私の言葉に3人は同意するように応えると、アナが今回の護衛について独自の解釈を口にした。
「護衛依頼に関していえば、ユーザニア市へ来るついでに受けた依頼でしたからね。儲けなんて気にしなくても良いと思います」
「そうですよ。アリス様が楽しければ、赤字なんて気にする必要はないかと思います」
ゼシカはアナの言葉に頷きながら同意する。流石は私の従者といったところか、私のすることを否定せず肯定してくれた。
「そうだよね! もしお金に困って稼ぐ必要がある時は、どこかで暴れてる竜種を見つけて倒しちゃえおう! それでお金はがっつり稼げるもんね!」
「「はい、お金に困ったら竜種ですね!!」」
私達にとって天災級と言われる竜種も、ただのお金になる生き物としか思ってなかった。それが私達のパーティー光の絆なんだよね!