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第62話 ユーザニア市への帰還

 リューネが仔竜から竜人の姿に戻るまでの間は、拒絶の森の拠点へ戻って待つことにした。拒絶の森には龍人ドラゴニュートが居るのだから、竜人ドラゴノイドについて何か知ってるかも知れないからね。


 転移魔法で拒絶の森へと戻ると龍人ドラゴニュートを呼んだの。私の元へやって来るのを待ってる間に、リューネのステータスを確認することにした。


【名前】リューネブルック 7歳

【種族】竜人ドラゴノイド

【LV】1

【職業】

【HP】20

【MP】5

【筋力】20

【防御】20

【魔力】5

【敏捷】5

【知力】10

【運気】5

《火魔術 Lv1》《咆哮 Lv1》

《大剣術 Lv1》《大盾術 Lv1》


 流石は竜人ドラゴノイドだけあって、重戦士といった感じのステータスだね。年齢は私とアナと同じ7歳の女の子だった。なんとなく喋り方で判ってたけど、今の見た目が仔竜だから見た目で男女の判断は難しい。


 光妖精族ライトニングフェアリー・ハーフエルフ・半吸血鬼ハーフヴァンパイア竜人ドラゴノイドと、なかなかレアな種族の集団になって来たと思う。


 私が激レア種族を選択して転生したから、『類は友を呼ぶ』みたいな感じでレア種が集まるのかな? ゼシカとアナが食事の用意をしていると、光地龍人アースドラゴニュートのガイアが私の元へやって来た。


「アリス様、お呼びにより参上しました」

「ありがとうガイア。少し聞きたいことがあってさ、竜人ドラゴノイドについて何か知ってるかな?」

「アリス様の後ろに控えてる仔竜のことでしょうか? ドレイクと人の混血は非常に稀なので、かなり珍しい存在かと思われます。ドレイクの屈強な身体能力を受け継いでいるように思われます」

「そうなんだね。ありがとうね」

「いいえ、また何かございましたらお呼びください」


 ガイアは竜人ドラゴノイドのことを教えると、すぐに拒絶の森の守護任務へと戻って行った。


 ガイアとの話が終わったところで、ちょうど食事の用意ができたみたいなので、みんなで食事を取り終えると、リューネが仔竜の姿から竜人ドラゴノイドへ戻ったので、夜が明けたタイミングでユーザニア市へ戻ることにした。


 夜が明けて、私達は山岳へ転移魔法陣で戻り、北門からユーザニア市内へ入ろうと思ったけど、ユーザニア市兵が北門を封鎖していて入れないので声をかける。


「ねぇ~、市内へ入りたいんだけど、門を開けてくれないかな〜?」

「馬鹿か? 北の山岳から竜種が来るかも知れないんだぞ! そんな状況で門を開ける訳がないだろう!」


 私が竜種を討伐したことを知らないようなので、竜種の襲撃の心配はないと伝える。


「私が北の山岳で竜種を討伐してきたからさ、もう大丈夫だから門を開けてよ!」

「はぁ? 小娘4人で竜種の討伐をしただと? そんな嘘を信じる訳がないだろう!」

「むぅ~、小娘4人を危険な門の外に放置していいの? 市兵なら弱い立場の者を守らないと駄目じゃないの〜?」


 なんてやり取りをしてると市兵の隊長がやって来た。4人の少女が門の外に居ることに驚きながらも、何かに気づいて声をかけてきた。


「竜種を討伐するとか冗談を言ってたお嬢ちゃん達か? 何で門の外に出ているんだ?」

「何でって、北の山岳で3体の竜種を倒して来たからなんだけど」

「まだそんな冗談を、危険を冒してまで門の外へ出て、冗談を言うのは感心出来ないぞ!」


 市兵の隊長とも話が噛み合わないので、竜種を倒してきた証拠を見せることにした。私は妖精の鞄フェアリーポーチから竜種の死体を出して見せる。


「これが倒して来た証拠だよ。それっ!」

『ズドォーン!!』


 私は討伐してきた火竜3体を放り出した。


 私達が倒した火竜フレイムドレイクの亡骸を見た市兵の隊長や市兵たちは驚いたのか絶句していた。証拠を見せても門が開かないので、私は〘拒絶〙を使って門を開けさせて市内へ入ることにしたの。


「北門を閉じていることを拒絶する」


 暫くすると北門が開いたので、私達は門を通って市内へ入ることができたのだった。

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