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第57話 七神女神との語らい

 光の回廊を進んで神界の門を通ると、立像ではない本物の七神女神様たちが私のことを待っていた。


 七神女神様たちを前にして、この場所が神界であると改めて認識したの。しかし、神界には神しか存在するはずがないのに、どうして神界に踏み込めたんだろう?


『アリス様、人智を超えた現象なので、私には説明することが出来ません』


 申し訳無さそうに並列思考セラフィムが答えてくれたけど、理解できなくても仕方ないと思えた。だって、人知を超えた存在である神がすることだからね。


「アリスさん、約束通りに私達に祈りを捧げてくれましたね。感謝しますよ!」

「アリス、間近で見るその美しさは、美の女神の加護に相応しいわね!」

「神具を創造したアリス、創造の女神の加護こそ相応しいのだよ」

「魔導の極みに辿り着く者アリスよ、魔導の女神の加護により更なる極みへ進むが良い」

「己の智識を用いて難題を乗り越えるアリスよ、我が加護に相応しい」

「アリス、その戦闘センスは我の愛し子に相応しいぞ」

「あの……これから【拒絶の森】の開発とか頑張ってくれると思ってるので、豊穣の加護を使ってちょうだいね」

「七神女神様、本当に私が皆様の加護を頂いて大丈夫なのでしょうか?」


 私は疑問を投げかける。


「過去の転生者達と違い、貴女には無限の可能性を感じたのです。加護に付いては七神女神それぞれが、本当に加護を与えるに相応しいと思ったからなの。疑問に思う必要はありません」

「私が加護を頂いて、そこからご期待に応えるために何をすれば良いのでしょうか?」

「何もする必要はないのです、貴女がしたいことをすればそれが【メルト】の為になるはずなのですからね」

「私は、ただこの世界で面白楽しく過ごせれば良いだけなのですが、それでもこの世界のためになると言われるのですか?」

「貴方の行いは己の正義を貫くことよね? その正義を決してブレることなく突き進んで欲しいのです」

「我が道を進む……それがこの世のためになるということなのでしょうか?」

「重く受け止めないで良いんだぜ? 自分の行いでこの世の行末が決まる訳じゃないんだ!」

「アリスさんが純粋に楽しく過ごせば、なんか結果的に良かった感じ? みたいなので良いんだからね。」


 ローゼ様の言葉に少し気持ちが楽になり、アネモネ様の優しい言葉に勇気を頂いた。


 うん、自分らしく適当に面白楽しく軽々しく、世界の事は成るように成るで行こう!


 そう、覚悟を決めるとか柄じゃない。もらえる加護はもらっておいて、返せと言われる位に適当に楽しむことにしちゃおう!


「皆様の加護を頂いて、私が楽しく過ごせる様に適当に加護を使わせてもらいますね!」

「「「「それで良いのよ」」」」


 七神女神様たちが私の元に近寄られ、頭に手を添えられると


「【創造の女神】の加護を授けるわね」

「【魔導の女神】の加護を授けるぞ」

「【智識の女神】の加護を授けます」

「【戦闘の女神】の加護を与える」

「【美の女神】の加護を授けますわ」

「【豊穣の女神】の加護をもらってね」


 七神女神様達からの言葉を受けると、私の体に七色の光が流れ込んできて、光が全て流れ込むと七神女神様たちから言葉を掛けられる。


「「我等の愛し子アリス、貴方の道を進みなさい。そして楽しく過ごすのですよ」」


 七神女神様達の言葉を聞き終えると、私はユーザニア大聖堂の祭壇へと戻っていたのだった。かなりの時間が経ったように思えたが、それはこの世界では一瞬の出来事で、神界とは時間軸が全く違うのだと理解した。


「さぁ、祭壇でのお祈りも終わったし、取り敢えずご飯を食べて宿屋を見つけて、明日からの市内観光にそなえちゃうよ!」

「「はい、アリス様」」


 私達はユーザニア大聖堂を後にした。


§女神の加護に付いて§

【アネモネの加護】神命之刻。全盛期以降からの不老不死に、身体への状態異常の無効化と、超速再生等。


【ヴェガの加護】無限収納。アリスの意思で自由にアイテムの出し入れが可能で、その容量は無限にして時間経過の影響を受けない。


【アーニャの加護】無限魔力。魔法をどれだけ使用しても無限に発動する尽きることはない。


【シエルの加護】智識之泉。アカシックレコードへの接続と、多重演算が可能になる。


【ローゼの加護】戦神之頂。戦技の全てを使うことができるようになり、天下無双の強者となる。


【エルメスの加護】麗美之極。容姿全てが本人の望むものになる。


【セーラの加護】天変地異。気候操作、土壌操作等を思うがままに扱える。

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