翌朝、私達は朝食を済ませてから、ユーザニア市へ向けて馬車移動を再開する。
大きな街道へ出たので、盗賊や魔物の襲撃を心配する必要はないので、御者もリラックスした表情で馬車を走らせていた。
そして昼前になり、ようやくユーザニア市へと到着したの。市内へ入るには門で検問を受けてから通過する必要があり、貴族専用と一般用の検問所がある。私たちの場所は子爵令嬢であるミネバ様を乗せているので、貴族専用の検問所で簡単な審査を受けて門を通過したの。
そこからはメイン通りを馬車で進みながら、ユーザニア市にある貴族専用の居住区へ進んで、セルラー子爵家の別邸へと到着したところで、往路の護衛が無事に完了した。
別邸の玄関前に馬車を停車すると、別邸の執事が出迎えて馬車の扉を開ける。
『ガチャ』
「ありがとう」
執事に礼を言うと、ミネバが馬車から降りた瞬間に笑みを浮かべながら走り出して、1人の男性に抱きついた。
「アルス兄様!」
「ミネバ、無事でなによりだよ。そちらお嬢さん達がミネバの護衛を務めてくれた冒険者の方々なのかな?」
「はい、私は光の絆のアリスと申します。こちらはパーティーメンバーのゼラーシュカとアナスタシアでございます」
私が光の絆を代表してアルスに返事をしてから頭を下げると、アルスはミネバを抱きしめたまま、私達に声をかけてきた。
「この危険な状況下で苦労をかけたね。しっかりと労りたいと思うので、私の方で細やかだが食事を用意したんだよ。明日までゆっくりと過ごして欲しいと思うのだかどうかな?」
貴族からの誘いを断るのは失礼にあたるので、誘いを受けることにした。本音を言えば直ぐにでも大聖堂へ行きたかったんだけどね。
「誠にありがとうございます。お言葉に甘えさせて頂きます」
アルスの誘いを受けて、この日はセルラー子爵家の別邸で休ませてもらうことになった。
明日からは、ミネバの入学試験が終了してポロ村へ戻るまで間は、ユーザニア大聖堂で七神の女神様へお祈りを捧げに行ったり、市内観光等をして楽しむことにした。
メイドに客室へ案内してもらってから、少しの間休憩をしていると、食事の用意ができたと声をかけられたので食事室へ向かう。
食事室に着くと、既に豪華な料理が並べられていて、肉料理のみを見つめるゼシカの目は血走っていた。久しぶりの豪華な料理にお腹が減ったなと思っていると、アルスの乾杯の音頭で食事会が始まる。
「では改めてだけど、ミネバが無事にユーザニア市へ到着したことと、その護衛を見事に務めてくれた光の絆の皆を労う食事会を始めようと思う。乾杯〜!」
「「乾杯〜!」」
食事が始まると、ミネバが私に声をかけてきた。
「アリス、安全のみ成らず快適な環境での旅だったことを、心から感謝してるわ」
「ミネバ様、労いのお言葉を頂きありがとうございます、勿体ない限りでございます」
「アリス嬢、帰りの護衛も引き受けてくれて感謝してる。冒険者ギルドへはこちらから指名依頼を出しておくので、手続きは不要だからね」
「ありがとうございます。ミネバ様のお帰りまではユーザニア大聖堂で七神女神様へのお祈りと、市内観光等を楽しもうと思ってます」
「宿が決まれば、宿の者にセルラー子爵家へ連絡するように伝えてくれ。戻りの日時が決まれば連絡するよ」
「かしこまりました」
その後は、豪華な食事と会話を楽しんだの。ゼシカの凄まじい肉の食べっぷりに、アルスとミネバは若干引いていたけどね。
とにかく無事に食事会も終わって、明日のユーザニア大聖堂へ向けて早めに就寝したの。