テントの周囲は結界が張られてるので、全員が気持ちよく2日目の朝を迎える。
「ミネバ様、お早うございます」
「おはようアリス、おかげ様で湯浴みとベッドで寝ることができて、とても良い目覚めができたわ」
「それは良かったです。朝食の用意ができてますので、食べ終わりましたら出発します」
「えぇ、ありがとう」
護衛2日目は、後半から森へと入ることになるので、流石に魔物が現れるのかな？ 少し気を引き締めて行かないとね。
朝食を済ませた後は、安全な草原を軽快に進んで森へ入る前にお昼休憩にする。食事をしながら森へ入ってからの注意点を説明しておく。
「少し早いのですが森へ入る前にお昼休憩にします。森へ入ると魔物が現れると思うので、馬車の揺れに気をつけてくださいね。魔物は全て討伐するのでご安心を」
「判りました。よろしく頼みますね」
昼食を済ませて移動再開すると、直ぐに森が見えてきたの。この森を抜けるのに3日はかかる予定で、森の中は少しだけど魔素濃度が濃く感じたの。魔物の気配に注意を払いながら進んで行くと、進行方向の三方から多数の気配を感知したけど少し違和感を感じる。
「ん、この気配は魔物じゃない？ これは人の気配だから盗賊かな？」
私は馬車内にミネバに報告をする。
「ミネバ様、おそらく盗賊だと思いますが、こちらへ近づいて来てます。人数は20人で約10分後には盗賊と交戦することになるので、馬車を停止して迎え撃ちますね。私達以外は車内で待機してください。馬車には私が結界を張るので、破られることは無いのご安心を」
「アリス、ご武運を！」
盗賊を迎え撃つ為に馬車を停止する。私達以外は車内へ避難させてから結界を張る。
悪意を持って襲って来る奴らに容赦はしない。降伏勧告とかするのは面倒なので、襲って来る奴は全て殺っちゃうことにした。
少し待ってると、盗賊が現れて馬鹿な脅し文句で威嚇してきたの。
「おぅ！ 俺達は【猛虎団】って盗賊だ！ 女は犯し尽くしてから娼館送り、男は金にならないからぶっ殺す！ 金目の物は全て頂いて行くから覚悟しろや！」
「あっそ、
私は氷の刃に風を纏わせる複合魔法を発動する。高速回転の氷刃を放つ。
『シュンシュン』
「ガッ」
「グェッ」
氷刃が次々と盗賊達の首を刎ねていく。
「あっ、2人も撃ち損なっちゃった……ゼシカ、弓で殺っちゃって！」
「かしこまりました！」
私の指示を受けたゼシカは、盗賊に向けて素早く矢を射る。
『バシュ、バシュ』
「グアッ」
「アゥ……」
ゼシカの矢によって、残りの2人も討ち取ったところで呆気なく終わったの。
「ミネバ様、盗賊の討伐は終わりました。馬車に損傷もないようなので、直ぐにでも先へ進みましょう」
「アリス、ご苦労様でした。御者は直ぐに出発の準備なさい」
「は、はい！」
その後は馬車が動き森を進んで行くと、何回か魔物が現れはしたけど、馬車を止めることはせずに、近寄った魔物は全て私の魔法で『サクサク』と倒すしていった。御者も最初は私の魔法に驚いていたけど、森を抜ける頃には慣れちゃってたみたい。
