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第47話 時間潰しに討伐へ

 掲示板に残っていた依頼には少し謎がある。


《条件》Rank−

《報酬》−


 条件と報酬の所に記載がなかったの。


「この依頼ってさ、出されてから結構日数が経ってるのに誰も受けないから、条件の制限が無いのかな? クエスト報酬は狩った数で変わるのかな?」

「他のクエストは条件と報酬の記載があったので、アリス様の言う通りなのでしょうね」

「どっちのクエストもポロ村西の大規模農園なんだね。1回の移動で2つとも済んじゃうから、美味しいクエストだと思うから行ってみよう」


 この程度の討伐なら『サクッ』と終わらせれるので、掲示板から依頼書を剥がして、冒険者ギルドを後にして大規模農園へ向かって行った。


「ワイバーンもキラーウルフも、雑魚だから楽な討伐クエストだね〜」

「「いえいえ、私達には厳しいですよ?」」


 ゼシカとアナは厳しいと言うので、せっかくなので訓練も兼ねることにした。


「じゃあ、私がフォローするからさ、訓練を兼ねて軽く倒しちゃてね?」

「「アリス様は女神であり悪魔だ……」」


 そんな会話をしながら移動をしてると、私達はポロ村西の大規模農園へ到着したの。


 直ぐに農園主さんに魔物による被害話を聞くと、夕方にはワイバーン夜更けにはキラーウルフが頻繁に現れるらしいので、農園の近くで待機することにした。


 そして、夕方になると上空からワイバーンが5匹現れる。飛んでるワイバーンとは戦いにくいので、撃ち落とすことにした。


「とりあえず落としちゃうからよろしくね。〚光雷シャインスパーク〛!」


 私は光属性と雷属性の複合魔法を撃つと、上空を旋回するワイバーン達に複合魔法が直撃したの確認した。


「グォ〜ン……」


 なんか、力ない叫び声があげたあとは、真っ黒に焦げたワイバーンが落ちてきたの……


「えぇえええっ! あれで死んじゃうの?」

「「あれは耐えれませんよ!!」」


 えっと……、私の複合魔法はワイバーンでは耐えれない様でした……。


「あはははっ……、取り敢えず丸ごと回収して、次のキラーウルフを待とうか」

「では、野営の準備を致します」


 従者2人が野営の準備を済ませて、焚き火を囲みながらご飯を食べると、交代では湯浴みしながらキラーウルフを待ったの。


 結界があるから見張りは不要だけど、キラーウルフが来たら討伐するから、2人が交代で見張りをしてくれたの。


「ワォーン」


 夜半過ぎに狼の遠吠え聞こえたので、ゼシカが私を起こしてくれた。眠気まなこでテントから出ると、アナが遠吠えがする方向を教えてくれたので、並列思考セラフィムに周囲の気配を感知させると、8匹のキラーウルフを捉えた。攻撃系の魔法だと瞬殺する恐れがあるので、近付いてきたところで軽く痺れさせて、2人に仕留めさせる作戦にした。


「キラーウルフが視界に入ったら、動きを止めるから2人で仕留めるんだよ」

「「お任せ下さい!」」


 キラーウルフの群れが私の視界に入ったので、雷魔法で軽く痺れさせる。


「ビリビリしちゃえ〚エリアスタン〛!」

「「キャウン……」」


 8匹全てのキラーウルフが痺れて動きが止まると、ゼシカは矢を射って的確に頭を射抜き、アナはレイピアで心臓を突いて倒す。


 2人の初撃を喰らった2匹は倒れ、私は2対2の状況を作るために〘光纏〙で高速移動して4匹の首を双剣で刎ねると、後は2人の戦いを見守るだけになった。


 ゼシカは風魔法の〚風刃ウインドカッター〛でキラーウルフの前脚を切断してから、短剣を額に突き刺す。


 アナは土魔法の〚岩弾ロックバレット〛を頭に当ててキラーウルフが怯んだ隙に、素早い動きで額にレイピアの一突きすると戦闘が終了した。


「2人とも良い戦いだったよ! キラーウルフを回収したらテントで湯浴みして、あとは朝までぐっすり寝てから町へ戻るよ!」

「「はい、お疲れ様です!」」


 2人がキラーウルフを回収した後は、汗を流して朝までぐっすり眠り、翌朝に農園主さんから任務完了のサインをもらったので、ポロ村へ帰ることにしたの。

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