ポロ村で家を購入してから1カ月が経ったけど、私達は冒険者としての活動は全く行っていなかった。
その理由は、【拒絶の森】に籠もってゼシカのレベル上げをしてるからなの。【拒絶の森】は内層、中層、外層からなる3層構造で、層ごとで魔物の強さが様変わりする感じで、今現在のゼシカの適性は中層辺りなら、私のサポートがなくても戦えるようになってきた。
今日は、実戦を想定して野営をしながらレベルを上げる訓練の最終日だったので、私達は久し振りに拠点へ戻る。早くもどってお風呂へ入って疲れを癒したいので足取りは軽い、さらに楽しみなのは拠点でお風呂へ入った後にある。自炊せずに拠点からポロ村へ転移した。
そして、ゼシカに頑張ったご褒美でポロ村のグルメを思う存分に味わってもらうの。
これは
「アリス様! お肉です! お肉料理の1択です! 今の私はお肉しか喉を通りません! 飲み物もミートジュースで構いませんから!」
うん、今のゼシカはお肉のことしか興味がないみたいだね。
「じゃあ、ミーパラ(※ミートパラダイスの略称)でいいのかな? 他にゼシカの要望があるならそこでも良いんだけど?」
「えっ? アリス様? ご冗談ですよね? このポロ村でミーパラ意外に、美味しい食べ物を提供してる店なんてありませんよ?」
「あはは……それは知らなかったよ。先ずは奇天烈に回収した素材を卸すからね。その後はミーパラで食事にするよ」
「かしこまりました」
ゼシカに急かされたので、奇天烈で魔物の素材を卸してからは、ゼシカ待望のミーパラでの食事を思う存分に味わってから、私達はポロ村の家へ向かったの。
私達は大通りを歩きながら言え戻る途中に不穏な雰囲気の商隊とすれ違う。不穏と思ったのは、すれ違う時に『ザワッ』と何かを感じた気がしたから。
妙にその商隊のことが気になったので、
その商隊は夜だというのに北門から外へ出て、鬱蒼とした林の中へ入って行った。何でこんな時間に鬱蒼とした林の中へ? 何か怪しい取引でもするのだろうと思い、さらに後を付けていく。
林の中を進む商隊は少し開けた場所でた。そこで既に待機していた冒険者風の男達と合流したの。すると男達は奥から四肢を鎖に繋がれた少女を引き連れて来て、リーダーと思われる男が商隊に声をかける。
「苦労したがなんとか望みの商品を仕入れて来たぜ。奴隷刻印紋も済ませたからもう逆らえねえはずだ」
「ふむ、確かに銀髪に赤い瞳をしているな。ティモン男爵が欲しがっでた
「へへっ、毎度あり〜! 後は猫と狐の小娘だが、これも目処が立ったからよ! 近いうちに仕入れると男爵様に伝えておいてくれ」
「ほほぅ〜、冒険者独自の情報ルートというのは流石だな。人攫い稼業には持って来いの情報源のようですな」
「まぁ、討伐や採集するには事細かな情報が必要だからな、クエストに必要なことだと言えば何でも教えくれるんだぜ!」
奴隷商を通じない違法の裏取引の現場だ。闇商隊と裏冒険者の悪事を目の当たりにして、私は当たり前のように
「ゼシカ、私はあの子を助けようと思うの、あなたは危険かも知れないから、少し離れた場所で待機しててね」
「かしこまりました。お力になれず申し訳ございません」
ゼシカは申し訳なさそうに答えたけど、従者を危険なことに巻き込みたくないからね。
そして私は、闇商隊達へゆっくりと歩み寄りながら問いかけたの。
「ねぇ、偶然だけど怪しそうな話しを聞いちゃったんだよね。聞いたからには放っておけないから、その子を解放させてもらうわね」
林の中から突然人が現れたことで裏冒険者は驚くも、子供だと判ると直ぐに強気になる。
「おい、ガキが大人の事情に口を出すんじゃねえよ! おっ? なかなか可愛い顔をしてるじゃねえか、てめぇも奴隷にして売り捌いてやるぜ」
私は、このクズ達には一切の容赦をせずに、全員殺っちゃおうと決めたの。罪を憎んで人を憎まずなんて嘘だと思ってるからね。人が罪を犯すんだから悪いことをする奴は、居なくなればいいのよ。
「今から私は口は出さないよ。その子をお前達から解放するだけだからね。もう全員殺っちゃうから覚悟してね?」
「はっ? 顔は可愛いがクソ生意気なガキじゃねえか! そういうガキを屈服させて、奴隷として売り捌くのも面白えなぁ!」
私はゲスな発言に『イラッ』とした。
まぁ、口は出さないと言ったので、無言のまま私は武器を構えたの。