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第15話 拒絶の森と光樹

 私の生活が安定してきて思った事がある。


 〘天眼〙〘天才〙〘並列思考〙をリンクさせれば、私が居るこの森の場所のこととかが判っちゃうんじゃないの? そう思ったら〘並列思考〙さんが答えてくれた。


『流石はアリス様です。唯一スキルの使い方を心得ておられますね。3つの唯一スキルをリンクさせれば、森を知ることができますよ』


 褒められて上機嫌な私は、生活しているこの場所を〘天眼〙で鑑定して、〘並列思考〙さんと〘天才〙をリンクさせることで、森のことを調べてもらい教えてもらう。


『アリス様のいるこの森は【拒絶の森】と呼ばれる特別な森になります』


 おおぅ、拒絶の森とかって聞くと、ここはかなりヤバイ森なのかな? 取り敢えず拒絶の森を〘天眼〙で鑑定してみると。


【拒絶の森】森の主と主が認める者以外は、森に住む全ての生物が拒絶する。現在、拒絶の森の主は不在となっている。


 うん、主が不在の時に勝手に入ってごめんなさい。悪気はないので私を拒絶しないでね?


 次は、私の生活拠点となってる大樹を〘天眼〙で鑑定してみると。


【光樹】光妖精族の加護を受け成長した大樹で、拒絶の森の主である証。光妖精族以外の加護を受けつけず、それ以外を主として認めない。


 つまり、光樹に加護を授けた者が拒絶の森の主って事になるのかな? しかも光樹に加護を授ける事ができるのは、光妖精族である私のみって事なのね。


 私以外に主になれる者が居ないみたいなので、光樹に手をかざして加護を与えてみる。


「光妖精族であるアリス.フェリシアが、光樹へ加護を授ける!」


 合ってるのか判らないけど、適当な言葉を言ってみると、急に光樹が輝きだして私へ語りかけてきたの。


『我が主アリス様、お帰りになるの日を心よりお待ちしておりました。我がお預かりしておりました【拒絶】の力をアリス様へと、お返し致しますのでお受け取りください』

『あ、うん、ありがとう』


 光樹からの言葉を受け取ると〘並列思考〙さんが報告してきた。


『アリス様、光樹へ加護を授けたことで、スキル〘拒絶〙を習得しました。おめでとうございます』


 それにしても〘拒絶〙のスキルか。


 なんか……もの凄く物騒な名前のスキルを手に入れてしまった事に少し不安になったの。


➖➖➖◯◯◯◯視点➖➖➖

 えっ……あのスキルはなんなの?〘拒絶〙なんてスキルは聞いた事も無いわ。


 私では判らないとなると、アネモネに聞くしかなさそうね。久し振りに会うけど、アリスをこの世界に転生させた自慢話を聞かされて、凄くウザいことになりそうね……


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