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第12話 生活拠点

 無事に右太腿の治療も終わったの。


 次は、生活拠点となる住居の確保に取り組む事にした。幸いなことに私の周りには、たくさんの樹木が生えてるので、住居を作る素材には苦労しないかな? と考えるのではなく〘並列思考〙さんへ語り掛けるようなイメージをしてみた。すると予想通りに返事がくる。


『アリス様、素材となる樹木に触れてから、住居のイメージを頭に浮かべて住居創成と唱えて頂ければ、作成する事が可能ですよ』


 取り敢えず寝るだけの部屋をイメージしてから、大きな樹木に触れて創成魔法を唱える。


「私のおうちを作っちゃうぞ! 住居創成!」


 そんな感じで創成魔法を唱えると、樹木が少しずつ形を変えていき、最終的に小さな私のおうちが出来上がったの。おうちは本当に小さくて、10畳くらいの広さなんだけど今の私には十分なスペースだった。


 更に机や椅子にベットも欲しいので、住居内の木に触れて創成魔法を唱えていく。


「椅子創成。机創成。ベッド創成!」


 私は『ポンポン』と家具を創生して、なんとなく部屋っぽくなったので、とりあえず住居の作成は取り敢えず終了することにした。


 傷の治療と生活拠点を確保すると、お腹が減ってきたので〘並列思考〙さんと〘天才〙をリンクさせて、石でナイフ等の調理器具を作る。それから角兎を捌いて肉を串に刺してから、火魔法で炙って料理をして食べたけど、料理には調味料が必須なんだと痛感したのだった。


 これからはこの住居を生活拠点にするの。


 少しずつ生活環境の改善に取り組んで、楽しい異世界転生ライフを満喫したいものだね。


 今後の最重要課題は、衣服というか下着が欲しいね。布団も早急に手に入れたいんだけど、欲しい素材って近場に都合よくあるのかな?


 色々と考えたいんだけど、幼女な私は眠気に勝てずそのまま寝落ちしちゃった。


『アリス様がお休みの間に調べておきます。ごゆっくりとお休みくださいね』


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