幸恵とは、お互い泣きながら別れた。俺の現状と距離の問題で小さな小さな恋は終わった。愛情深い女だった。
麻里奈が、電話をかけてきた。
「透ちゃん、元気ないじゃん。今からそっちに行くよ。」
麻里奈は、車で来てくれて妹夫婦も一緒だった。
「ゲームセンター行こう。」
と麻里奈は元気の無い透に言ってくれた。
ゲームセンターで遊んだ。四人で。こういった時に二股かけておいて良かったと悪魔が囁いた。俺は悪魔になった。ゲームセンター行った後に四人でラーメン屋に入った。他愛もない話をして笑った。数時間前まで泣いてた自分を忘れて。上書きしていくように笑った。恋を忘れるには恋をすれば良い。それしか人間の性は無いのだから。
麻里奈のアパートに泊まって麻里奈と生で初めてセックスした。麻里奈は再婚したい子供が欲しい女だった。
「わたしさ、不倫相手と元旦那の間に子供出来たけど旦那との子供は、死産で不倫相手の子供はおろしたんだよね。双子だったんだ〜。」
と麻里奈は他人事のように話す。
「そっか。」
としか透は答えられなかった。
麻里奈は、明らかに透と結婚したがっている。でも、透には秘密があってそれを麻里奈が受け止める事が出来るか分からなかった。
また、一人になるのは嫌だった。