車の中で高橋麻里奈は、イライラしていた。イライラの原因は、八歳歳下の高木透がハッキリ物事を言わないからだ。透も助手席に座っているが居心地が悪そうだ。透のアパートまで後少しどっちかが謝らなければ別れようとお互い思っていた。
二ヶ月前。
麻里奈と透は、マッチングアプリで知り合った。麻里奈は駅前の喫茶店で透を待っていた。どんな人かな?写真ではイケメンだったけど。透は、待ち合わせの時間前に来ていて遠くから麻里奈を観察していた。透は、彼女と別れたばかりで病的なまでに神経質になっていた。遠くから見た感じ美人だった。でも、タバコ吸うのか。まぁ、良いかと透は寒い季節に麻里奈と出会った。
「はじめまして。透です。」
「麻里奈です。」
お互い第一印象は良かった。
居酒屋に行ってずっと麻里奈は、喋り倒す感じだった。透はビールを飲んで気分が高揚した。麻里奈は、タバコは吸うが酒は飲めなかった。
「わたし、沈黙が苦手でさ、ゴメンね。」
「いや、良いよ〜話してくれる人好きだし。」
帰りは、麻里奈の車で透はアパートまで送って貰った。
透は、久しぶりに元気が出た。
麻里奈も同じだった。