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第62話 妹

夏の大会の予選会が、行われた。主将の伸二が檀上に上がりクジを引いた。


決勝戦まで進めば石黒豊の高校と当たる事が決まった。


そんな日に、俺の自宅を不審者が覗き込んでいた。スルーしようとすると


「あ!塩見洋!」


と不審者は叫んだ。


どなた様?あれ?


「百合?」


と俺は思わず声を出した。


「残念ながら妹の白石樹里でした。」


と樹里は舌を出した。 


「帰って来れ。」   


と俺は樹里に言った。


「おねいちゃんに似てるから?辛い?」 


「よーく見たら似てない!」 


樹里は、洋の腕に自分の腕を絡めてきた。


「やめろ!」


「離さない!」


お互い意地になっている。俺は、もう好きな人を失いたくなかった。


「抱いてよ!抱きしめて!」


俺は、抗ったが樹里を抱きしめた。


「百合!」 


と叫んで樹里にキスをした。


「運命には、抗えない!」   


と樹里も叫んでキスをしてきた。


その夜、二人は繋がった。


「わたしも、女優になる。」 


「やめろ!」


と俺は樹里を抱きながら叫んだ。樹里は、矯声を上げた。


「百合!百合!」


と叫んで俺は壊れそうで失いそうな樹里を抱いた。


抱き終わった後に樹里は俺に甘い甘いキスをした。


見事だった。完璧な百合を模倣している演技なのか本気なのか区別がつかないセックスだった。



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