俺は、ワクワクしてた。
最後の合宿。
伸二、啓太と一緒にいられるかけがない時間。
「夏の大会に向けて総仕上げだ!」
と監督が激を飛ばした。
「伸二、」
「何だ?洋。」
「何でも無い。」
ありがとうと言うには早過ぎる。
「啓太、夏の大会か終わったらあとは頼んだぞ。お前の頭脳で常勝チームにしてくれ。」
「先輩、任せて下さい。」
啓太は、胸を張って答えた。
洋は、バントとバッティングの練習をした。一日目は主にバッティングを磨いた。光は卓球で全国制覇したらしい。光のバッティングを洋は模倣した。ビデオで繰り返し見た。
妙子と檸檬がおにぎりの差し入れをしてくれた。
麻衣子は、料理が苦手だった。
最終日は、バーベキューをした。
そして花火をした。
楽しい合宿だった。
高雄は、抑えの投手に成長してた。
洋は、高雄にフォークを伝授した。
洋は、新しい球種の練習をしてた。夏の大会までには間に合わせる。
挫けそうになるとイマジネーションした。石黒豊が空振り三振するところを。
立ち塞がった高い壁を俺の投球で打ち崩す。そんなイメージを音楽を聴きながら何百回と繰り返した。さて、自分の投球をするだけだ。最後は、自分自身を信じるだけだ。
電光石火!そんなピッチングが理想だ。
合宿は、終わった。