エース塩見洋。
古参の高校を完全試合で制した。
「さすが、塩見君!」
白石百合が自宅まで来てくれた。
家族が、ビックリした。
散らかってる部屋に百合は珍しそうに入って来た。
「男の子の部屋に初めて入った。」
「そうなんだ~。」
洋は、動揺していた。
百合は、洋を見つめていた。
「やっぱり、わたしはあなたに狂ってる。」
「え?」
「初めて会った時から分かってた。フリーターになって草野球しても良いよ〜。」
「え?」
そんな人と暮らせたらどんなに幸せだろう。わたしは塩見洋に狂わされた女。
「ダメだよ!女優の夢諦めたら!」
と洋は本気で百合を怒った。
洋は、それだけ言うと
「うちの家族と食事しない?」
と笑った。
百合も笑った。
洋の家族との食卓は温かいものだった。
百合は、久しぶりに楽しい気持ちを思い出して泣いた。
次の日、洋と百合の事はマスコミに取り上げられて大問題になった。
しかし、百合が記者会見を開いて謝罪して終幕した。
洋は、打倒、石黒豊!
百合はアイドルを卒業して女優になった。
百合は、今でも洋に電話を掛けて来る。
洋は、今でも百合のファンだ。まだまだ脇役だがいつか、大女優になる。
そんな予感がするのが白石百合だった。
しかし、百合は過労がたたり急死した。