野球部の人数が減り続けて洋と伸二は、野球部存続に必死になった。嘆願書を集めて野球部、入部希望者を募った。
「麻衣子、お前の高校野球部ピンチなんだって?」
豊が、自宅で麻衣子に聞いた。
「別に。」
「正直、塩見が消えてくれたら楽だわな。」
と豊は笑った。
「でも、塩見さんを倒してメジャー挑戦するのが、お兄ちゃんの夢でしょう?」
「まぁな。」
と豊は、遠くを見るように答えた。
「大丈夫?」
百合に洋は心配された。
百合から夜に電話がかかってきた。
「う〜ん。正直ピンチ。」
「そうなんだ~。」
と百合は不安そうに答えた。
そんな時に治は引きこもりになって昼夜が逆転する生活を送っていた。
何もかもが壊れ始めていた。
練習試合も出来ない毎日を送ってついに光も卓球部に戻った。
「試合無きゃ、筋トレしている意味無いし。」
と言い残して去る部員もいた。
そんな中でも、洋は伸二、啓太とピッチングして麻衣子とロードワークを欠かさなかった。
俺一人になっても野球は続ける。
そんな時に全国から続々と転校生が集まった。
洋と野球をする為だけに。
また、練習試合が組まれる事になった。
しかも、古市甚蔵率いる、古参の高校と。
「石黒豊と、戦うのは俺達だ!いくぞ!」
と円陣を組んで伸二が叫んだ。