甲子園から何十年間も遠のいてる古参の高校があった。そこが、今度、塩見洋の高校と練習試合をする事になった。
「良いか、お前達、負けても良いが喰らいつけ!」
と九十歳を越えている古市甚蔵監督は選手達に言った。
「うす!」
治が、先発だった。
甚蔵は、バッターにサインを出した。
初球からバント。
啓太が素早く取ってアウト。
二人目もバント大勢からのバスター。
ヒット。
治は、ランナーがいるとイライラする性格だった。
盗塁された。
三番バッターは、まさかのバント。
ランナーは三塁に走ってセーフ。治がバントの球を一塁へ暴投。
三塁ランナーは、余裕でホームイン。
珍しく勤が投手交代を告げた。
ピッチャー塩見洋。
洋は、165キロのストレートで二三振を取った。
「化け物だな。」
と甚蔵は呟いた。
練習試合で、塩見洋の高校敗れると新聞に取り上げられた。古参の高校復活か!?
勤は、試合後
「負けるのは悪い事ではないが次は無いと思え。」
と部員達に言った。
治は、最近、悔しがる事すらしなくなった。そして不登校になった。
伸二が、切り替えて行こうと試合後言ったが部員達には響かなかった。
何と負けを気に部員達がどんどん退部していったののだ。
野球なんて飽きたと言って辞めて行く部員達。
危機感を持ったのは数人ほどの部員達だけだった。