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第48話 宣戦布告

テレビに、石黒豊が出て記者会見している様子が流ていた。高卒メジャーリーグ挑戦と書かれていた。


「夏の大会で塩見洋君に勝って甲子園で優勝します。」  


俺の名前を出すなよな。兄妹で、迷惑なんだよ。あぁ、部活行きたくねぇ。


俺は、学校をサボった。


部屋に、引きこもって映画をずっと観ていた。


夜になると伸二が家に来た。


「逃げるなよ、洋。」 


学校は、大騒ぎだったらしい。マスコミが来て。

 塩見を出せと。


「逃げるさ、あんな名指しで名前言われたら 。」 


「分かるけどよ、俺も大学からスカウト受けてるんだわ。」 


伸二なら真面目だから大学で活躍出来るだろう。


「良かったじゃん!」


「条件があるんだよ。夏の甲子園出れたらって話しなんだよ。」 


何じゃあそりゃ?


「だから、俺に、学校に出て来いって話か?」 


「そうだよ!妙子と同じ大学行きたいんだよ。妙子は頭良いから推薦で入れるけど俺は野球でしかはいれん!」


分かったと一言返した。


一人になって伸二の必死な顔を思い出していた。仕方ねー相棒の為だ。明日から学校行くか。


スマホに、麻衣子からの電話が来た。


「この電話は、現在使われておりません!」


と鼻を摘んで言った。


「先輩、バレバレですよ。」


「何だよ?」


と面倒くさそうに聞いた。


「宣戦布告ですね。お兄ちゃんからの。」


「兄貴に受けて立つって言っておけ!」


と電話を俺は切った。

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