目次
ブックマーク
応援する
いいね!
コメント
シェア
通報

第46話 春夏連覇

石黒豊は、春夏連覇を成し遂げた。圧巻のピッチング。圧巻のフルスイング。レベルが高い。でも、今のチームは負けていない。


「ごっつムカツクは〜。」 


と珍しく治が練習を熱心にし始めた。


テレビを見て刺激を受けたのだろう。洋も光もだ。練習試合が毎週のように組まれた。


バントの上手い石垣高雄が入部して来たおかげで先制点を取る事が多くなった。相変わらずエースは治だった。抑えに洋が出て来ると大歓声だった。


「ち!なんでやねん!」


と治は、グローブをベンチに投げつけた。


石黒豊が、練習試合を見に来た。


「治が、エースか、夏も貰ったな。」 


と豊は笑った。


しかし、四番バッターの光を見て豊の目が覚めた。あいつは俺よりスゴいバッターだと思った。


そして、洋のピッチングを見て驚いた。豊はワクワクしてきた。


春夏連覇なんて称号はいらない洋に勝つために野球をするぞと誓った。


練習試合が、終ってミーティングをした。


「治!何だ?今日のピッチングは?」


と監督の喝が飛んだ。


治だけ居残り練習をさせられた。


洋は、麻衣子と一緒に帰った。


「今日、お兄ちゃん試合見に来てましたよ。」 


「そうか、案外、暇な、石黒も。」


と洋はあくびをしながら言った。


麻衣子は、洋が最近、きになって仕方無い。


「映画好きなんですか?」


「大好きだけど最近観に行ってないな〜。」


と懐かしむような顔を洋はした。


この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?