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第44話 天才

光は、背が高く手足が長かった。何となく卓球部に入部した。中学生時代から卓球をしていた。中学生時代、全国大会にも出場した。麻衣子に声を掛けられた時に運命だと感じた。野球部に入部して四番バッターを任された。スカウトマンから声を掛けられる事も多くなった。それより麻衣子の存在が気になった。練習は、退屈だった。


しかし、洋と対峙する時だけは痺れた。治の球はハッキリ言って棒球だ。簡単にホームランに出来る。洋の球は微妙な差で打てない。バッドを木に変えた。すぐに光は順応した。


周りからは天才と呼ばれたが麻衣子に認めて貰ったら卓球部に戻るつもりだ。麻衣子に告白して辞めるはずだったが洋という存在が現れた。天才が努力し始めた。夜中に家の庭でバッドを振りまくった。河原の土手でやっている社会人に頼んで一打席だけ立たせて貰ってホームランを打っていた。気に入られてたまに顔を出してはホームランを打っていた。野球って楽しいと思ってた矢先に治が暴力事件を起こした。


光は、許せなくて治の胸ぐらを掴んだ。


「おい!お前、野球舐めてんのか?」


と詰め寄った。


「そう、熱くなるなや、天才君。俺等、将来、プロ野球選手やで。金も女もいくらでも手に入るエリートやで。」


と言い残して治は部室を出て行った。


くそ!あんな奴が野球やってるなんて、ゲス野郎が!光は、怒りが込み上げて来た。

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