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第42話 喧嘩

治が、他校の生徒と喧嘩した。春の選抜は絶望的になった。監督は、夏の大会に全て賭けようと全部員に伝えた。監督は、責任を感じていた。そして辞表を出した。監督不在となった。麻衣子が、石黒豊の高校でコーチをしていた高橋勤を連れて来た。勤が監督になった。


「エースは、治だ!」


と耳を疑う言葉を口にした。


勤は、独裁者だった。


洋は、控え投手になった。


しかし、洋は、腐らずにロードワークを続けている。


「塩見さん、悔しいですか?」


と麻衣子に聞かれた。


「控え投手も、チャンスはある。」


と洋は、あっけらかんと答えた。


練習試合で、治は躍動した。


五戦負けなし。抑えは洋がした。


治は、スタミナが無く八回に打線に捕まる事がある。そこで洋が抑えで出される。洋は、パーフェクトピッチングをした。治は、洋を憎むようになった。


スカウトは、相変わらず洋にしか、声がかからない。


「エースは、俺やで。」


と治は麻衣子に愚痴る。


「あんたは、スタミナ不足!バーカ!」


と麻衣子は答えた。


何やねん、俺がエースなのに誰も俺を見てない。ムカツクわ!洋さえいなければ!


麻衣子は、密かに洋に想いを寄せるようになった。もしかしてお兄ちゃんに勝てるかもしれない。麻衣子は、勤に直談判した。


「塩見先輩をエースに戻して下さい!」


「ただのマネージャーがじゃかしいわ!」 


と怒鳴られた。

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