目次
ブックマーク
応援する
いいね!
コメント
シェア
通報

第36話 勝つんだからね

2戦、3戦と俺達は勝ち進んだ。


4戦目に球場に入る所で


「塩見洋!」


と女の子に呼び止められた。


ファンかなと思っていると


「今日はたかちゃんが勝つんだからね!」


と至近距離で叫ばれた。


たかちゃん?


「やめろ!桜。すまん塩見。」


大柄なユニホーム姿で男が桜を連れて去った。


あれが、たかちゃんか〜?

強そう。


試合は、たかちゃんと俺の投手戦になった。


たかちゃんの球は重い。

バッドに当てるのがやっと。


「伸二、試しに目をつぶって思い切り振ってみ!」


と俺は、冗談でアドバイスした。


すると伸二はホームランを打った。

マジか〜。


一対〇。九回裏。俺は、フォークを多投した。


たかちゃんが大きなファールを打った。バカ力だな。良しこれだ。決め球を投げて空振り三振。たかちゃんの夏が終わった。


決め球は、高速スライダー。


「春は!たかちゃんが勝つんだからね!」


と桜に叫ばれた。


「完敗だ。塩見、甲子園で優勝してくれよ。」


とたかちゃんに俺は握手された。


「ああ!」 


と俺は答えた。


桜ちゃん可愛かったな〜と思っていると伸二と妙子がイチャイチャしているのが目に入った。伸二がホームラン打ってなかったら勝てなかった。アドバイスする楽しみも増えた。


アドバイス。将来の夢が見えてきたかも。

この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?