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第34話 映画

映画研究部で俺はスポ根?スポ魂?映画を観て大号泣した。現実にはあり得ない弱小野球部物語。そんな野球部が甲子園に出場するまでのサクセスストーリー。俺も泣きたい。春の選抜は良く覚えていない。エリート集団に成り下がった俺達は弱小野球部を見習うべきだ。


「伸二!」   


と俺は泣きながら叫ぶと伸二は妙子と仲良く話している。映画を観ていない?妙子に夢中過ぎるだろ?

夏は勝てないかもしれない。


「洋!何だよ?」   


と伸二は遅れて聞いてきた。今や映画研究部は部員が百人近くいる。律子と檸檬といた時間が懐かしい。お互いのアンケートを感想を読み合って帰るだけだった。今は、何だ?映画館じゃないか!まるで!


「何でも無い!」


と俺はすし詰め状態の教室から抜け出して野球部の部室に向かった。部室でユニホームに着替えているとプロ野球のスカウトマンが入って来た。


「こんにちは。塩見君。」 


「ちわっす!」


野球魂に火がついている俺は元気良く挨拶した。


「塩見君、メジャーリーグとか興味ある?」


「無いです。」


俺は、プロ野球にすら興味が無い。今は、ただ甲子園だ!その前に地区予選だ。一つずつ勝つ!


「安心したよ。いきなりメジャーリーグ目指す高校生も多いから。」


「自分、野球は高校で辞めるつもりです。」


「え?」


スカウトマンを部室に置き去りにして俺は暑いグラウンドに向かった。

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