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第33話 夏の大会

春夏連覇は、俺の夢になった。校長と約束した。春夏連覇しますと。校長は、飛んで喜んでくれた。伸二と新しい球種を考え始めた。


「そういえば、妙子とはどこまでいった?」  


と俺は少し罪悪感を持ちながらも伸二に聞いた。


「Aまでかな。」


伸二は、嬉しそうに答えた。


そうなのか、三日三晩、妙子を抱いた記憶が蘇ってきた。あのか細いけれど弾力のある体。


「そっちこそ、愛美先輩とはどこまでいってるんだよ?」


何も知らない伸二は俺に聞いてきた。


「清い関係だよ。」


本当だった。セックスしたくなる事もあるが言い出せない。愛美は、大切にしたいと思っていた。普通のデートを繰り返していた。何処かで律子を忘れられないのかもしれない。


「本当かよ?」


伸二が無邪気に笑っている羨ましかった。


「変化球、どうする?」


俺は、誤魔化した。


練習を終えると愛美と一緒にバイクで駅前の喫茶店に向かった。


喫茶店に着くと俺は、ケーキとアイスコーヒーを頼んだ。愛美は、アイスティー。


「変化球、迷っててさ。」


伸二とのやり取りを話した。


「フォークが良いと思うよ。」


と愛美はハッキリ答えてくれた。確かに春の大会ではスライダーを決め球にしていた。俺を研究してる学校はスライダーを狙い打ちしてくるはずだ。こういった愛美の助言は参考になると共に賢い彼女を持って誇らしかった。


「でさ、夏の大会優勝したらわたしとセックスして。」


え?マジか〜。俄然頑張る気になった。


「了解!」


と俺と愛美は約束した。



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