最近、俺は妙子のアパートに行かなくなった。どうも妙子は伸二に想いを寄せてる様子だったからだ。春の選抜で優勝したエースにインタビューと題して生徒会長の三年生水沢愛美が放送室で俺に質問して来た。
「率直に、優勝した感想は?」
と愛美は、少し上から目線で聞いて来た。俺はイラっとしたので
「感想なんか聞いて何が楽しいんだよ!?」
と逆に質問仕返した。
「わたしは全校生徒を代表して質問しています。」
「だから?」
リハーサル中止が告げられた。俺と愛美は、相性最悪だった。監督や伸二に説得されて俺は怒りを鎮めて本番を向かえた。
「春の選抜で優勝するという大偉業成し遂げたエースの塩見洋さんに率直に優勝した感想を聞きたいと思います。」
あれ?上から目線が愛美の言葉から消えた。
「監督、部員、マネージャー全員で優勝です。」
放送が、終わり監督と伸二が褒めてくれた。大人になった塩見もと。
愛美は、放送の時とは打って変わって恥ずかしそうに連絡先を渡して来た。
「あの、わたし、塩見王子様の為だったら何でもしますから。
と言って立ち去った。
部活動を終えて帰ろうとした時に愛美から手を引かれた。
「何で、連絡くれないんですか?王子!」
と愛美に俺は校舎の陰で聞かれた。