法的な保証はなくとも、責任はすべて果たすべく生きて来ました。
端的に言えば、「片親」と見做された部分はただの一つもありません。権利は削られたとしても義務は引き受ける気概でした。
*「片親」がどうこうではありませんよ。単純に「経済的負担を減らすために『実質的な婚姻状態』を隠蔽する気もしたこともない」です。端的に言えば「不正はしていないし、そのための事実婚ではない」という話です。
これだけは誤解のなきようにお願いします。
子どもの保育料算定も、当然ながら夫婦合算でたいてい最高額でした。
もともと二人とも働いているので、健康保険も別途で夫婦間の扶養は関係がないですし(双方の職場からの要請で「子どもの扶養は交互に」とのことで、そのようにしていました。一人目が私なら二人目は夫、という風に)。
事実婚で一番法的に困るのは「相続」でしょうが、これは子どもがいればとりあえず問題はありません。子どもが双方の相続人になるからです。
ただ、税法上の『家族』になれないのが地味に不利でした。
例えば、確定申告で「医療費控除」を私と夫の分が足せない。ただ、逆に言えば実生活での具体的な不便はそれくらいですね。
生命保険の受取人にも指定できましたし(これは保険会社や時期によります。今は厳しいため難しいでしょう。そして私は結局、夫にしたものを全部娘に変えました)、持ち家も共有名義でローンも連帯債務です。
冒頭でも触れましたが、何故今出すものが「2024年3月半ば時点」なのか。
現実問題として、去年2024年に下の息子(作中の雅巳)が亡くなったからです。
これに関しては、いくら彼が母である私にとってどうでもよくて愛も情も存在しなくとも、流石に「ありのまま」の事実は書けません。
ですがそこを誤魔化したら、「実際にあったことを盛る・なかったことを書く」のと同じです。「ノンフィクション」ではなくなってしまう。
というわけで「ノンフィクション」として成り立たせるための都合です。
そういえば母も去年死にました。この作品の直後、ということになります。八十代でした。
今の私は、趣味の小説をポツポツと書きつつ娘の大学卒業だけを待ち望んでいます。それが私のこの家(主に夫)からの解放を呼ぶからです。
現状では、娘の卒業と同時に私はもう仕事は辞めて、働き出す娘を助けるために二人で暮らすことになると思います。
名前は死ぬまで私に絡みつき千切れない鉄製の蔦のような呪縛ですが、「決して誰にも『名前』では呼ばせない」ことを徹底することで、不快感も最小限に抑えられています。
久留美の卒業で仕事を辞めて自宅を出て、夫と離れて「自由」になるためにあと数年をどうにか生きようと考えています。
●ここまで読んでくださった方、もしいらしたらどうもありがとうございました(*'▽')