「くーちゃんはけっこんしない! だってずっと『あさお くるみ』がいいから!」
久留美は、保育園のときに実家の父(祖父)にそう宣言したそうです。私が連れて行ったんですが、少し席を外した合間に。
担任ではない保育士さんが結婚して、改姓した話を聞いたからでしょう。
「変えなきゃいいじゃないか。ママ(私)だって『西野 聖子』のままなんだから」
祖父に言われてその場は「あ、そっか!」と納得したようです。
約十五年が経って、久留美は現時点でも結婚する気はないらしいです。
私の個人的な希望としては、できる限りして欲しくないとは思っています。
これこそ一般論とは一線を画する問題で、彼女にとっては何のメリットもありませんから。私と同じく。
ただ、言うまでもなく本人の希望を尊重します。もし「結婚したい・する」というなら、無条件に反対することはありません。
でも私が見ていて、この子は結婚はしないんじゃないかと感じています。何よりも向いていない。私に似ているので当然なんですが。
そもそも進路自体、一生一人でも十分生きて行けるようにと選んだ側面もあります。
私に似て、しかし私より遥かに
だからこそ久留美のためには何でもしてやりたいと考えています。