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第31話 二人の仲間が出来た

 ロディーが、心配そうな表情で見つめてくるので少し心配になってきた。


「そうなの?」レイニーがディアブロを見つめた。


 ディアブロが、それを無視をしてあーちゃんの姿になった。という事は、大した事ないんじゃないの? というか伯爵よりディアブロの方が上なんだよね? だったら問題ないじゃん?


「さー帰ろー! 黒炎球〜っ♪ えいっ」


 レイニーが黒炎球を指で弾くと、あーちゃんとロディーが黒炎球をジッと目で追い眺めていた。黒炎球は上空に登り、隠れ潜んでいる悪魔の元へ向かった。ミシミシと音を立て強引に結界を砕き、黒炎の火柱が上がり、女性の叫び声が聞こえた。黒炎球って便利じゃない? オート追尾だし、対象しか影響しないし~放っておいてもいいし♪


 首謀者は女性の悪魔だったのかぁ……ちょっと可哀想だった? いやいや……仲間を傷つける者は許せないしっ。


「わぁっ。また……おばけ。こわぁーい……ロディー!」あーちゃんが擬態しているので、近くにいたロディーに抱きついた。抱きつかれたロディーは、顔を真っ赤にして動かなくなった。


「主様……あ、あの……大丈夫です、魂です。怖くないですよ……」レイニーに抱きつかれたロディーが緊張した表情をして、怯えるレイニーの背中を擦りながら言った。


 いやいや……魂って……おばけじゃん。人魂とか言うじゃんっ。こわいってばぁ〜!


「……な、仲間になってあげてもいいわよ!?」女性の悪魔の魂が声を掛けてきた。


「おばけ、きらい! あっちに行ってっ! おばけに悪魔は、もう間に合ってますっ!」レイニーが魂が近寄ってきて話を掛けてくるので、手でシッシッと追い払う仕草をした。


「……おばけは知らぬが、嫌われているのか……? 力になるぞ。お役に立てると、いや、いろいろと役に立つぞ!」


「まにあってます……」悪魔は、もう2人いれば十分でしょ……それに、おばけに好かれたくないしっ。


「主様、伯爵様は強大な力をお持ちですよ。協力してくれるならば力強いです。ぜひお仲間に……」ロディーが俺を見つめて真剣な表情で言ってきた。


「あーはいはい。でも、従者契約はなってもらうけどね……」ロディーが、そういうなら……別に良いけどさぁ……


「そんなのは問題ない。是非仲間してくれ」


「ねぇ……ロディー。俺って……おばけに好かれるのかな〜? そんな体質イヤなんだけど……ロディ〜」抱きしめていたロディーをギュッっと更に抱きしめて言った。


「あ、主様……苦しいですぅ……」ロディーが、サラサラな銀髪を揺らして逃れようと体を動かしていた。


「早くしてくれぬか……この状態は長く続かんのだが」苦しそうな声で訴えてきた。


「見て知ってると思うけど……子供の姿だからね! 名前は……リリスね」チラッとロディーの方を見て、魂の方を向いて言った。


「分かっておる。それは気にしないぞ」落ち着いた物言いだなぁ。


 魂に手を翳し同じ様に転生をさせた。


 静かな森の奥深く、リリスは再びレイニーの前に現れた。転生を遂げたばかりの彼女の姿は、幼い8歳の少女となっていたが、その瞳にはかつての威厳と感謝の念が込められていた。


 リリスはレイニーに向かい、静かに跪くと頭を深く垂れた。彼女は小さな声で、「レイニー様、ありがとうございます。リリスの名を有り難く拝命させていただきます」と感謝の言葉を漏らす。その声はかすかでありながら、真摯な思いが伝わってくる。


 リリスは、転生の難しさを知っており、それを可能にしたレイニーの力の偉大さを改めて実感していた。彼女の背中には冷たい汗が流れ、その場の空気が一層重く感じられる。


「あなたのおかげで、新たな命を得ることができました。心より感謝申し上げます」と、リリスは俯きながら静かに続けた。その瞬間、彼女の心には深い感謝とともに、レイニーへの絶対的な敬意が芽生えた。


 やがてリリスは顔を上げ、照れ隠しのためツンとした表情を浮かべた。その表情には、彼女が持つ誇りと独立心が垣間見える。彼女はレイニーに一礼すると、ゆっくりと背を向けて歩き出した。その姿には、小さくても強い意志と決意が感じられた。


 彼女の姿は、幼い少女のものでありながら、何か特別な雰囲気をまとっていた。長い漆黒の髪はゆるやかにウェーブがかかり、風に揺れるたびに闇の光を反射して美しく輝く。


 顔立ちは端正で、大きく可愛らしい目元が特徴的だった。その目元は、冷たくもあり、同時に魅惑的な雰囲気を漂わせていて。彼女の瞳は大きく、紫色に輝いていた。その瞳はまるで宝石のような美しさを持ち、妖しい光を放っている。その瞳の奥には、かつての上位の悪魔としての威厳と知恵が宿っているかのようだった。転生後も変わらず、可愛らしさの中に妖艶さを感じさせる。特に微笑むと、その顔には不思議な魅力が漂い、その微笑みを見た者は思わず心を奪われてしまう。


 彼女の肌は健康的な色白で、その美しさを一層引き立てている。頬にはかすかに赤みが差し、その色合いが彼女の可愛らしさを際立たせていた。唇は薄い赤色で、その形は整っており、微笑むと柔らかな印象を与える。


 全体として、リリスの顔は、かつての威厳と新たな可愛らしさが見事に融合し、その存在感はまさに唯一無二だった。 


 リリスの体型は、スレンダーで優雅であり、幼い姿ながらその動きには優雅さが感じられる。健康的な色白の肌は、森の薄暗がりの中でも美しさを際立たせている。彼女が歩くたびに、その姿はまるで夢の中の存在のように幻想的だ。


 彼女の服装はゴシック調のドレスで、漆黒と紫を基調にしたデザインが施されている。豪華な装飾が施されたそのドレスは、彼女の小さな体を包み込み、まるで貴族の姫君のような気品を漂わせている。ドレスの裾が風になびくと、その動きに合わせて闇の波動が広がるように見える。


 リリスがゆっくりと歩き去る姿は、その場に残る者たちに強烈な印象を与える。彼女の背中には、かつての悪魔としての力と、新たな命を与えられた感謝の念が共存している。その姿はまさに、過去と未来が交錯する瞬間を象徴するものであった。


「あれが伯爵様なの?」自分で幼くしておきながら……首を傾げて、ロディーに聞いた。


「幼い頃は知りませんが……お美しいですね」いや、美しいとか、そういう事を聞いてるんじゃないんですけど。


「役に立たなければ二人とも解雇ねぇ〜♪」そんなのは、どうでもいい。役に立たなければ解雇すればいいし。


「「え!?」」と二人が慌てて振り返り、驚いた表情をして俺を見つめた。


「え? 役に立たなければ必要ないだろ〜? 好きに生きてもらって良いぞ。解放してやるぞ〜」とニヤッと笑い二人に言った。


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