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第2話 魔法!?見たいっ!!

 ルナが「魔法」というので気になり、魔法の本を探して見渡していると、発見した。近くにあったので手を伸ばし、俺が本を読み始めると、妹のルナが暇そうにしていた。


 せっかく俺に会いに来てくれたのに、放ったらかしは良くないよな。でも、魔法の書籍を見つけてしまったので仕方がないだろう……気になるでしょ、魔法だよ?


「ちょっと待っててくれるかな?」


「……はぁい」



 聞き分けの良い返事をしたルナだったが、頬を膨らませて、つまらなそうな表情をしていた。


 魔法の書籍を手に取り読んでみると……実用書のように書かれていて、ファンタジーや物語という感じではなかった。これは、明らかに魔法のある世界に転生をしてきたらしい。わぁ〜すごい! 魔法かぁ〜♪



「なぁ〜ルナ。魔法を使えるの?」



 隣に座っていた妹に聞いてみると、可愛く首を傾げて「なにを言ってるの?」って顔をした。


 誤魔化すように、何を使えるようになったかを聞いてみた。



「……あ、じゃなくて……最近は、何を使えるようになったの?」


「あのね、うふふ……攻撃魔法のファイアショットを使えるようになったのっ♪ えへへっ」ルナが嬉しそうに答えてくれた。



 ルナが攻撃魔法を使えるようになったと自慢気に話してきた。という事は……攻撃が必要な状況になるということだろ? っていうことは、自然と答えが出てくる……魔物がいる世界なんだな? 盗賊とか人間の敵って事も考えられるけど……魔物がいてくれた方が楽しそう。


 魔法あり、魔物ありの異世界ファンタジー世界じゃん。俺、魔法を使えるのかな……?? 妹が使えるなら俺も使えるはずだよな?? まさかの……適性がありませんとかじゃないよね。それだけは勘弁してよ……


 魔法があると知っては、ジッとしてられない! あるなら見てみたいよねっ!?



「ルナ、本ばっかりじゃ勉強にならないからさぁ……魔法を見に行こうよ? ねっ?」


「魔法をですか……? 講師の先生がいない時の使用は禁じられていますよぅ……ダメですっ」ルナが、困った表情をしてダメだと言ってきた。



 ルナの魔法がダメならば……他の人の魔法でもいい。とにかく魔法が見たい!



「ルナのじゃなくてもいいし。練習場ってないのかな?」


「……あるじゃないですか。兵士の訓練場が……」



 へぇ~。兵士の訓練場があるのか!?



「あぁ……そうだった。そこに行こうよっ。ね♪」


 俺が可愛い笑顔を作りお願いすると、頬を膨らませて立ち上がってくれた。



「むぅ……そこも禁止されていますよ……危ないので立ち入り禁止ですっ……」


「立ち入らなければ良いんでしょ? にしっし……♪」


「見るだけですよ……お兄様ぁ〜」



 妹に注意される兄って……俺って、そんなキャラなのね。


 妹と並んで仲良く歩いていると、メイドさんたちが道を避けて微笑んで挨拶をしてくれる。偉くなった気分だね♪ 俺もサービスして微笑み返して、可愛く手を振ってあげた。



「きゃぁ。レイニー様ぁ……♡」


「わ、私に手を振ってくださったのよ!」


「私によ。さっきも微笑み返して下さいましたし」



 ムスッとしたルナが俺をジト目で見つめてくる。え? 俺は喜んでくれるから、ただサービスして笑顔を返して手を振ってるだけだよ?



「お兄様ぁ。恥ずかしいのでやめて下さい……」


「え? 喜んでくれてるよ?」


「そんな事をしていると、お母さまに叱られますよ」


「はぁい」



 どうやら俺たちは上層階にいたらしく階段を数階下に降りて兵士の訓練場に辿り着いた。

 ……見えないじゃん!! 我慢ができずに扉を開けて入ると、注目された。そして……責任者っぽい人が近寄ってきて注意をされた。



「レイニー様、危ないので入室は禁止されています」



もぉ〜。目の前で魔法を放っている音が聞こえるのに……見えないっ!!



「ねぇ〜。ちょっと見るだけ! ねっ♪」可愛い笑顔でお願いをした。


「ダメです。私が怒られてしまいます。困らせないで下さい」



 注意をされて……扉を開けられて追い出された。むぅ……俺、エライんだよね? それに、俺の笑顔が効かなかったぞっ。むぅ……



「だから、ダメですよって言ったのにぃ……」



 ルナが呆れた顔をして、俺を待っていてくれた。



「ねぇねぇ、魔法が見たい〜」



 駄々っ子のように妹にお願いした。お願いをされて嬉しそうな表情をするけど、解決策はなさそうで悩んだ表情をしているだけだった。


 そんな時に後ろから声を掛けられた。



「こんな所で、なにをしているんですか? レイニー様、ルナ様」



 なんだかとっても……怖そうで、偉そうな人が声を掛けてきたぞ……怒られるパターンかなぁ……ルナ、ゴメンよぉ。ルナは俯き目をうるませていた。



「あ、あの……魔法が見たくて……俺がルナを誘ったんで……」



 ルナが俺の服を掴み俺の後ろに隠れた。うん。うん。それで良いよ。実際、俺が誘ったんだし……



「……そうですか、魔法を見たくてですか……」



 偉そうな人がニヤッと笑い「では、王族専用の訓練場に行きますか」と言ってきた。



 ルナが、え? っという顔でお偉いさんを見つめていた。偉い人が先頭を歩き案内をしてくれるらしい。



ルナが小声で話し掛けてきた。「怖くて厳しくて有名な魔術師団長ですよ……」


「……ま、まじかぁ……お手本を見せてくれるだけなら嬉しいけど」


「そんな訳ないじゃないですかぁ……お手本の後に練習ですよぉ……」ルナの表情が暗くなってきた。



 あ、でも……ファイアショットが撃てるようになったんだよね? 嬉しそうに話してたし。


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