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週刊ぼん春 エッセイコーナー
週刊ぼん春 エッセイコーナー
ぼんげ
文芸・その他雑文・エッセイ
2025年02月02日
公開日
3,334字
連載中
この世のどこかに存在すると言われる謎の雑誌『週刊ぼん春』。そこに載せられたエッセイの中から、編集部が厳選した選りすぐりの人気作を一冊にまとめてお届けします。



……なんてことはなく、私ぼんげの「不定期」エッセイです。

同窓会 あわれと思へ クソ陰キャ 酒よりほかに 飲むものもなし ~壱~

 突然ですが、皆様が「同窓会」というものに対して抱く心情はどのようなものでしょうか?


」と、かつての恋人との甘酸っぱくもほろ苦い日々に思いを馳せ、「」なんてやったりするものなのでしょうか?


 しかし悲しいかな。学生時代いわゆるクソ陰キャで(「今もだろ」というツッコミは禁止カードで)、恋人はおろかまともな友人さえもいない有様だった私ぼんげ。そんな甘酸っぱい青春の思い出なんてあるはずもなく、なんなら加齢に伴う脳機能の劣化のせいか、全生徒に平等にあるべき学園生活の思い出そのものが何一つ思い出せないレベルにまで至っていました。


「じゃあ行かなければいいのでは?」と至極真っ当なご意見が聞こえてきそうですが、これがまた、クソ陰キャというのはそうもいかないとても面倒くさい生き物なのです。人と関わるのが苦手なくせに、いっちょ前に人の温もりは求めているのですから、もう救いようがありません。きっとダン○ルドアでも「儂らには救えぬものじゃ」とニワトコの杖を投げることでしょう。


 そんな「」を地で行くぼんげさんですので、メッセージアプリで開催の案内が来た時、よせばいいのに参加の返信をしてしまうわけです。当日出発前になって面倒くささの方が勝つようになるとも知らずに。


 そんなかんなで「昨今のペーパーレス化の波のせいで、『案内』を半分に折り曲げられないじゃん」などとどうでもいいことに思いを馳せつつ迎えた当日ですが、一つ困った問題が浮上します。あ、面倒くさくなったとかではありませんよ。いや、それもありますけど。


 問題なのは半分に折り曲げられないその案内の記載内容。なんとそこには「服装」のコーナーがないのです。


 その結果何が起きるのかといいますと、「さあこれはどっちだ?」と一人LI○R GAMEが始まるわけです。何を隠そう「平服でお越し下さい」と書かれた企業説明会にちゃんと平服で行った結果、見事赤っ恥をかいたことのあるぼんげさん。過去の苦い経験から、こういうドレスコードを巡る化かし合いには敏感です。


 70人規模の大規模会。会場はなんかお洒落な駅前のパーティ会場。かつての恩師まで足を運んでくれるらしい。以上の情報から、IQ3を誇る迷探偵ぼんげさんが導き出した答えとは……。あ、「幹事にメッセージで聞けばよくね?」って思ったそこのアナタ。アナタはクソ陰キャの生態を何も理解していないリア充です。半分に折り曲げたスマホの画面でももう一度見ていればいいと思います(血涙)。


「大切なのは失敗しないことではない。その失敗を次に活かすことだ」などと何回擦られたかも分からない金言風の何かを胸にスーツへと着替え、家を出たぼんげさん。何も考えずに電車に乗り、現代病とでもいうべきスマホいじりをしていると、友だち登録もしていない謎のアカウントからのメッセージが……。

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