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受付嬢の日常~ダンジョンに浪漫(ロマン)を求めて。
受付嬢の日常~ダンジョンに浪漫(ロマン)を求めて。
飯塚 ヒロアキ
異世界ファンタジー冒険・バトル
2025年02月01日
公開日
3.7万字
連載中
夢と希望を胸に冒険者は今日もモンスターが闊歩する危険なダンジョンへと挑む。

どんな困難な状況でも、どんな絶望的な危機に陥っても、決して諦めず彼らは前へと突き進む。

なぜ、冒険者たちは命をかけてまで、ダンジョンへと挑むのか。尋ねると誰もが口を揃えて言う。

そこに『浪漫』があるからだ。

ダンジョンで死ねるのなら本望! まだ見ぬ世界、そして富の為に!

そういう馬鹿がいるからこそ、ダンジョンに潜る価値が生まれるのだ。

そんな命知らずの冒険者たちの能力を個別で分析し、適切な階層、案内、依頼内容を提示し、送り出す役割を担っているのが冒険者ギルドだ。

そしてその受付嬢もまた優秀な人材である必要がある。

エスドラドの街にある冒険者ギルドに務める職員たちは皆、一流と呼ばれるにふさわしい実力を兼ね備えた者たちであった。

その中でもスバ抜けた能力を持つのがテレンシアだった。

そしてまた、彼女の元へ夢と希望を抱いて、目を輝かした若き冒険者が訪れるのであった。

「君が冒険者に? 死にたくなければ、やめておきなさい―――」

そう言い放ち、追い返すも若き冒険者はあきらめずに毎日のようにテレンシアを指名する。

そして、根気負けしたテレンシアは糞生意気な少年冒険者のサポーターになることを了承するのであった。

この物語はそんな二人の物語である――――。

第1話 夢と希望の世界

――――エスドラドの街。


大陸の南部に位置するこの街は比較的暖かい地域で、そこにある大きな港には、たくさんの帆船が行き交う。


あらゆる国の商人たちが、ここで交易を行う重要拠点となっていた。


豊富な海産物に、見たことのない異国の装飾品など、さまざまな「珍品」が市場の露天商で売られ、人の往来と賑やかさは太陽が落ち、暗くなるまで、続いた。


今日もまた新たに大型帆船が大海原からやってきた。


大きな船を港に横付けし、錨を下ろしたあと渡橋がかけられる。


そこから我先にと、続々と屈強な男たちが下船していく。


彼らの足取りは軽く、そして、目には夢と希望を宿し、これから始まる冒険に胸躍らせている。


彼らは追い求める。


名声――地位――富―――そう彼らは『冒険者』と呼ばれた。


世界各地に突如現れたダンジョン。


何のためなのか、どうして現れたのか、謎に満ちたこのダンジョンは地下へといくつもの層に分かれており、ダンジョンごとに多いものから少ないものと様々だった。


中には階層のないダンジョンもあったりする。


その謎に包まれたダンジョンの中で、最大規模の大きさを誇るのが、このエスドラドの街の近くに現れた『メンディア』と呼ばれる巨大なダンジョンである。


現在、確認されている地下階層は30階層。


さらにまだ下が有るのではないかと噂されている。


各国は協力してこの謎に満ちたダンジョン攻略を目指し世界合同組織を結成した。


それが『冒険者ギルド』である。


この組織は主にダンジョンの解明とそこに現れる魔物の生態の調査、ダンジョンでしか取れない鉱物の採掘などを目的としている。


新発見があった場合、または階層主または階層ボスと呼ばれる強力なモンスターを倒した者、新階層を踏破した者に対して、冒険者ギルドは莫大な報奨金を支払う事になっている。


その額は成果次第では国ひとつ買えるほどの価値があると言われている。


そんな、冒険者たちが集まる街だけあって、ここの冒険者ギルドでは毎日のように激しい依頼争奪戦が繰り広げられている。


それを手際よくさばいていくのが冒険者ギルドに雇われている受付嬢である。


彼ら彼女らは冒険者に的確なアドバイスを出し、ランクに応じた依頼の選定から、注意点の説明、また、サポート役も担っている。


その受付嬢の一人が物語の中心的な存在となるのである―――――。

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