ルヴィアの言葉に対して大将は口を開いた。
「あぁ。ちょうど俺たちもサンドラの町に行く予定があったからね」
「どうして?」
大将はアイルとルヴィアに青い玉を置いていた台座の話をした。
ルヴィアは頷きつつも、少しため息をつきながら口を開く。
「なるほどね。確かにエルフの森ならあるかも……あそこいつも入るの面倒なのよね」
「ルトからそう聞きました。だから俺はいかないといけない」
大将は言葉には強い意志がにじみ出ていた。
それに合わせてルトも話す。
「俺も大将と行かないと。どれが台座に必要な鉱石かエルフではわからんからな、ガハハ!」
ルトは大きく笑った。
その言葉にアイルとルヴィアはうなづいた。
そしてルヴィアはすずねの方を向いて話す。
「それならすずねちゃんは危ないから、ここに居ようね」
「……」
すずねは少し黙る。
そして自分の中で意見が見つかったのか、はっきりとルヴィアに言い放った。
「わたしもついていく」
「なら、どうして行くのかしら……そんな危ない所なのに」
「わたしは……わたしがなにものなのかしりたいから」
「……」
すずねの言葉にその場にいた4人は黙る。
そしてすずねは続けて話す。
「わたしがたいしょうのみせできぜつしていたりゆうも」
「しっぽがふえるりゆうも」
「わたしがだれかもわからない」
「わたしは……わたしのことをもっとしりたい」
「だからいっしょについていきたい!」
すずねはルヴィアの目をじっと見て答えた。
ルヴィアはその目をみて、ため息をついて答える。
「……そうなのね。なら行っていいわよ」
「おい!!」
ルヴィアの許可にアイルが待ったをかける。
「危険かもしれない所にすずねちゃんを行かす気か?俺は反対だ!!」
「わたしも反対したいわよ」
「なら、なんで!?」
アイルの言葉にルヴィアはゆっくりと答える。
「すずねちゃん自身が望んでいるからよ。それ以上でもそれ以下でもない」
「……そうだな」
なぜかその言葉に納得したアイルはすずねちゃんの方に向かって話しかける。
「危なかったら、絶対に逃げるんだよ。いいね?」
「うん!!」
すずねは元気に言った。
それを見たルトが大将とヨルに話す。
「準備時間は……移動時間を考えても3日が限界か。
俺は今から準備に取り掛かる。3日後に飛行魔法の直行便があるターミナルで落ち合おう」
「わかった。ヨルはうちの店の二階で体を休めておくといい。
すずねちゃん、ヨルに色々教えてあげてね」
「……ありがとう」
「わかった!」
大将の言葉にヨルとすずねは返事をする。
それを見ていたルヴィアは大将に話しかける。
「側近ちゃんには先にサンドラの町にいってもらって、宿とか色々整えて貰っておくわ」
「すみません、よろしくお願いします」
大将はルヴィアに頭を下げる。
ルヴィアはニコリとしてさっそく右手に紫色の魔方陣を展開して何やら話し始めた。
アイルはスッと大将の方に近づいて大将にしか聞こえない声で話しかける。
「大将、すまないが……」
すでに深夜になっているにも関わらず、大将の店『ゆうなぎ』はずっと明るいままだった。